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第33話

32話
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2024/08/25 08:57 更新
すち
あなたの下の名前ちゃんが好きです。
すちくんに告げられた。






あなた
っえ...
あなた
えっと...その...
沈黙を破り、やっと言葉を発したが、
焦った様子の私を見て、すちくんは優しい笑みを浮かべた
すち
驚かせてごめんね。
すち
あなたの下の名前ちゃんが暇ちゃんのこと好きなのは知ってるし、
すち
返事が欲しいとか思ってる訳じゃないから
すち
俺が気持ちを伝えたくなっただけ。
私は言葉が出ず、ただ呆然とすちくんの顔を見つめる

そんな私を見てすちくんは苦笑いしているが、
どこかすっきりしたような顔をしていた。
すち
時間くれてありがと
すち
戻ろっか。
身体を反転させ、彼は屋上の扉の方へと向かう。
あなた
まって...!
私は思わずすちくんの背中を追いかけ、声をかける。
あなた
気持ちには答えられないけど、
あなた
嬉しかった...!すごく!
振り返った彼の目を見つめ、しっかりと伝える。
すちくんは驚いたように少し目を見開くと、すぐにふわっと笑った
すち
俺、あなたの下の名前ちゃんのそういう所、好き。
あなた
えっ
すち
んー、告白したら諦められるかなって思ったけど
すち
暫くは無理かな。
すちくんは後ろにチラリと視線を向けると私に言う
すち
ほら、待ってる人もいるみたいだし
すち
行こ。
待ってる人...?

扉の方を見ると、バツの悪そうな顔をした彼が立っていた。
あなた
なつ君...!?
あなた
なんでここに...
暇72
いや、なんか、
暇72
お前がすちに連れてかれるのが見えたから...
すち
覗きとか趣味悪いね暇ちゃん
暇72
だって、心配になるじゃん...
申し訳ないと思ったのか、少し口ごもって答えるなつ君。

しょぼくれている様子を見て、思わず笑みがこぼれる
すち
...ほんとに大好きなんだね。お互いのこと。
優しい顔で私たちを見つめるすちくん
暇72
はっ!?///別にそんなこと...
すち
え!!そんなことないの!?!?
すち
じゃああなたの下の名前ちゃんのこと貰っちゃお〜
暇72
ちょ、それは違うだろ!!
なつ君とふざけ始めたすち君

元気そうで良かった...のか?

もしかしたらすち君の事だから、私たちが気を使わないようにあえて明るく振る舞ってくれているのかもしれない
すち
...暇ちゃん
すち
俺やっぱ、あなたの下の名前ちゃんのこと好き。
すち
性格悪くてごめんね
すちくんは舌をべっと少し出すと、はにかむ
すち
長々とごめん
話聞いてくれてありがと
すち
また明日!
そう言い、彼は去っていった








暇72
...なぁ
すち君がいなくなると、なつ君がもたれかかってきた
暇72
俺の事、好き...?
暇72
告白されて、すちのこと好きになってない?
不安げに聞いてくる彼をそっと抱きしめる。
あなた
心配かけてごめん。
あなた
私が大好きなのは、なつくんだよ。
はー...
失恋...しちゃったな......

俺は屋上の階段を降り、荷物を取りにオフィスへと戻った。

振られることは最初から分かっていたから、思っていたより辛くは無い

むしろ、自分の気持ちを言うことが出来て心がスッキリした。


...明日からまた頑張ろう。


そんなことを考えていると、声をかけられた
みこと
あ!いた!すちくん
すち
...みこちゃん?
声のした方を向くと、
笑顔のみこちゃんが立っていた
みこと
あのな、これちょっとみて欲しいんやけど...


みこと
...大丈夫?
みこちゃんは話し始めたが、俺の顔を見ると心配そうな表情をする
すち
え...何が?
みこと
いや、なんか元気ないんかなって思って...
優しく声をかけてくれるみこちゃんに、思わず口が動いてしまう
すち
あなたの下の名前ちゃんに告白して、振られた。
みこと
え...
驚いた顔をするみこちゃん。
当たり前だ。

しかし、みこちゃんは何も言わずにそっと抱きしめてくれた。
すち
...振られるのはわかってたからっ...そんなに辛くなかったんだけどね?


みこと
...すちくん
みこと
我慢しなくてええんやで?
そんなみこちゃんの声を聞くと、急に涙が溢れてきた
すち
あ...れ?
すち
おかしいなっ...
次々と溢れてくる涙を一生懸命拭う
みこと
...頑張ったな
みこちゃんは優しく俺の背中をなでる
すち
俺っ、暇ちゃんのことも大好きだから...諦めなきゃって思うのにっ......
すち
でもやっぱ、あなたの下の名前ちゃんのことも好きでっ...!
みこと
うん
すち
っ暇ちゃんに申し訳なくって...
すち
でも辛くてっ...!
静かに俺の話を聞いてくれるみこちゃん
みこと
...大丈夫だよ
みこと
すちくんだけやない。
みこちゃんは、俺の気持ちが落ち着くまで背中をさすり続けてくれた

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