第16話

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2025/11/22 13:00 更新

全力ダッシュ、泳ぎ、猪とのデスマッチを経た次の日。
玲那の足取りは、さすがにちょっとだけ重い。



(なまえ)
あなた
っはぁ……つっかれた……

朝の訓練を終え、木陰に腰を下ろした玲那の肩は、

汗でびしょびしょ。
息も絶え絶えで、顔が赤い。




(なまえ)
あなた
うわっ……くらくらする……


その時。

長尾 謙杜
長尾 謙杜
……ほら、これ


影がふわりとかかって、

差し出されたのは冷たい水の入った小瓶。



(なまえ)
あなた
っ……長尾さん……
長尾 謙杜
長尾 謙杜
水分、足りてなさそうやったし


玲那は言葉に詰まりながら、
その水を一気に飲み干す。



(なまえ)
あなた
……ん、ありがとうございます…
長尾 謙杜
長尾 謙杜
礼言えるだけマシやな。えらいえらい、笑
(なまえ)
あなた
なんでそこで煽るの!!!


でもその声は、どこか優しかった。
















訓練後、謙杜に案内されたのは古びた魔法教室。



天井が高く、壁には魔法陣のような装飾。


本棚にはびっしりと魔導書やスクロールが詰まっていた。



長尾 謙杜
長尾 謙杜
ここ、使われてへんけど…オレが昔勝手に勉強してた場所やねん
(なまえ)
あなた
へえ……なんか、落ち着くかも
長尾 謙杜
長尾 謙杜
今日はちょっと、魔法の“知識”のほうを教えたる。身体ばっかやとバランス悪いしな


玲那は机に座り、謙杜は向かいの椅子に腰掛ける。

彼が取り出した本には、

異世界の文字と光のような図形が描かれていた。


長尾 謙杜
長尾 謙杜
魔法は力やけど、言葉と構造で成り立っとる。つまり”仕組みを知れば誰でも近づける”
(なまえ)
あなた
……でも、私には才能ないし
長尾 謙杜
長尾 謙杜
それ、誰が決めたん?


パラッとページをめくる手はスムーズで静か。

謙杜の声は柔らかく、でもどこか突き刺さる。



長尾 謙杜
長尾 謙杜
まずは、ひとつ呪文の意味を読んでみて
(なまえ)
あなた
えっ、これ……難しそう……る、“ルミエール・ソルシュール”……?
長尾 謙杜
長尾 謙杜
正解。それ、“太陽の芽”って意味。
一番最初に俺が覚えた光の魔法。……懐かしいなあ
 
玲那は少し目を丸くしてから、微笑んだ。



(なまえ)
あなた
……ちょっとだけ、楽しいかも


授業の終盤、ふと玲那の目が棚の奥に向いた。




(なまえ)
あなた
……あれ、弓?
長尾 謙杜
長尾 謙杜
……ああ、それ?

長尾がちらりと視線を向ける。


長尾 謙杜
長尾 謙杜
昔オレが使ってた。魔法士でも弓くらい扱えんとな、って思って
(なまえ)
あなた
へえ……触ってもいい?
長尾 謙杜
長尾 謙杜
壊さんようにな?


玲那は、そっと木製の美しい弓を持ち上げた。
意外にも、手にしっくりとくる重みだった。




(なまえ)
あなた
……なんか、分かんないけど
長尾 謙杜
長尾 謙杜
…ん?
(なまえ)
あなた
これ、使える気がする。


一瞬だけ、謙杜の目が細くなった。
長尾 謙杜
長尾 謙杜
そっか……そろそろ、次のステップ行けるかもな


玲那はまだ知らない。


この弓を手にしたことで、
自分の未来が大きく変わることを――





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