第15話

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2025/11/20 13:00 更新





朝焼けが差し込む広場には、

いつもよりも緊張感のある空気が漂っていた。
大橋の声が響く。





大橋 和也
大橋 和也
よーし!今日から特別特訓期間や!お前、覚悟しとけよ〜!
(なまえ)
あなた
……って、いつもよりテンション高くない?
大橋 和也
大橋 和也
そらそうやろ。お前がどんだけ伸びるか、楽しみすぎて眠れんかったもん
(なまえ)
あなた
いや寝ろよ……


それでも、大橋の目は本気だった。




大橋 和也
大橋 和也
スタート地点立ってー、んでゴールはあの木ぃな。……よーい、ドンッ!!


玲那は勢いよく走り出す。

だけど異世界の重力か、靴の違いか、
うまく地面を掴めない。







っ、なんでこんなに足が重いの!?



振り返れば、
大橋が軽々としたフォームで追いかけてくる。





大橋 和也
大橋 和也
遅いで〜!?めっちゃ遅いで〜!?風になるんや〜!風に〜!!
(なまえ)
あなた
……う、うるっさいっ!!


全力疾走した先、へとへとになりながらゴールに到着。





(なまえ)
あなた
はーっ……はーっ……死ぬって……
大橋 和也
大橋 和也
ほら、あと7本いくで
(なまえ)
あなた
えっ!?!?!?まだやるの!?てか、
7本…!?
大橋 和也
大橋 和也
これで終わりやったら“特別”じゃないやろ〜?


玲那は地面に膝をつきながら、心の中で絶叫した。




続いてやって来たのは、小さな湖のような水場。
澄んだ水の奥は底が見えない。




大橋 和也
大橋 和也
よっしゃ、泳ごか!
(なまえ)
あなた
え、私水着とか持って────


ドボンッ
大橋 和也
大橋 和也
持ってなくてもええやろ〜!
(なまえ)
あなた
ちょ、やだやだ冷たっ!!

震えながら泳ぎ出したその時。


(なまえ)
あなた
……え、なにあれ。なんか来てる!!


水面に、なにかぬるっとした影が――!!




(なまえ)
あなた
え、なにあれ…!水生モンスター……!?!?
大橋 和也
大橋 和也
そっちいったで〜!がんばれ〜!!
(なまえ)
あなた
がんばれじゃない!!!!助けて!!!!!!


水面から顔を出したのは、
タコのようで、クラゲのようで、


でも目が3個あるという――完全に異形の生物だった。





必死に岸へ泳ぎ戻る玲那。



大橋 和也
大橋 和也
うっわ……アレ食べれんかな……?
(なまえ)
あなた
まずは助けてからにして!!!!!!





















濡れたまま連れてこられた森の中。
次は“動物の気配を感じ取る”訓練らしい。


(なまえ)
あなた
……いや、濡れてる状態で森に入る!?
風邪引くんですけど!?
大橋 和也
大橋 和也
鍛錬中にそんな贅沢言うな〜
大橋が木に耳を当てながら、
「ここ通ったな」とつぶやく。





玲那も真似して木に手を当てて――





……気配とか、全然わかんないんだけど






大橋 和也
大橋 和也
……まあ、気合で感じるんやで
(なまえ)
あなた
抽象的すぎるわ!!!!!!




そう言って草をかき分けた瞬間。









ガサガサガサッ……ブヒィイイイイ!!!!!









(なまえ)
あなた
えっ、なに……――ぎゃああああああああああ!!!!!


突進してくるのはまさかの猪(超特大)


玲那が逃げ回るなか、遠くから声が。


大橋 和也
大橋 和也
アホやなあ、お前〜!!!やる気あるんか〜!!
(なまえ)
あなた
あるから逃げてんの!!!!!!!










長尾 謙杜
長尾 謙杜
……


森の高台で、静かに一人立つ謙杜。
手元には、魔法で動くメモ帳と万年筆。




長尾 謙杜
長尾 謙杜
……今日だけでステータスは平均値2.3上昇
木の陰から、玲那が猪に追われる姿も記録される。

長尾 謙杜
長尾 謙杜
笑ってる余裕はないけど、これは……ま、がんばれ。


ひとり小さくつぶやきながら、
彼は冷静にページをめくっていった。




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