第14話

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2025/11/18 13:00 更新


翌朝、まだ肌寒い空気の中――


訓練場に木の剣の音が鳴る。





大橋 和也
大橋 和也
───はいっ!そこもう一回構えて!

大橋の声が響く。
木剣を構えた玲那は額に汗をにじませながらも、

まっすぐ前を見る。




(なまえ)
あなた
……ッ!

風を切って木剣が振るわれる。


力任せじゃない、少しだけ“形”になっていた。



大橋 和也
大橋 和也
……あれ?
大橋の目が、一瞬だけ丸くなる。

目の前で木剣を構える玲那の腕の筋が少し締まっていて、手の動きも前よりずっと自然。






昨日まではもっとぎこちなかったのに……






そして、――動きが少しだけ、速くなっていた。







大橋 和也
大橋 和也
……なんか、昨日より…ちょっと動けてへん?
(なまえ)
あなた
……え?うそ、ほんとですか?


握ってる手を見下ろすと、



昨日まで“ただ振ってた”手じゃないことが自分でもわかる。

指の力の入れ方。
足の踏ん張り。


少しだけ、“戦う”ってことが体に染みていた。







(なまえ)
あなた
……昨日、寝不足だったんだけどな


ぼそっと呟いた声に、大橋が不思議そうに首を傾げる。
大橋 和也
大橋 和也
昨日、何かあったん?
(なまえ)
あなた
……いえ、なんでもないです。たぶんですけど。


……何かが、近づいてる気がしただけ。



玲那は心の中だけでそう思って、
剣を握り直す。





大橋 和也
大橋 和也
じゃ、次いくで〜!さぼったら罰ゲームやからな!
(なまえ)
あなた
ちょ、そーゆーのやめ────
木剣が再び打ち合わされる。


でも、その音は昨日よりも
ほんの少しだけ、強く、響いていた。




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