あの時はまさかこんな事に
巻き込まれるなんて思ってもみなかった
"いつも通り"の毎日に突然起こった事件
あの日"いつも通り"じゃなかったのは
親友のコウと一緒に帰らなかったこと
たったそれだけだったのに──
"あの時"帰っていなければ
ここに居ることは無かったのだろうか
否、これは仕組まれた事なのだろう
どう足掻いてもここには来させられたのだろう
あの人達はそういう人だ
"あの時" "あの時" "あの時³
今更考えたって後の祭りだけど
どうしても思い返してしまう
「もしも」を考えてしまう
もしも、ノートを返していれば
もしも、"あの時"振り返らなければ
未来は変わっていたのだろうかと
そこで私の記憶は途切れた
頬に当たる冷たく硬い床
カラフルな床や壁
ズキズキと痛む頭
朧げな意識が 徐々に鮮明になっていった
見渡すと他にも何人か人が居たが
全員 面識のない人で
年齢もバラバラ 性別も半々くらいだった
皆が集まっているところに行くと
もう既に私達以外の人は来ているみたいだった。
怯えている子もいて可哀想だなと見ていると
緑の髪の人がこちらを確認し、話を始めた
こうして自己紹介が始まった
オウカさんは
リーダーシップがあって頼れるお姉さん
って感じの人だ
凛としていてカッコイイなぁ…
ガクさんは
元気で明るい人
なんかコウみたいだな…
ナノさんは
こんな状況でも落ち着いた人だ
いつも通り喋ってるって感じで話している
凄いな むしろニコニコしてる
ユイさんは
天然なのかな…?
なんというか、ふわふわした感じの人だ
よく分からないけど懐かしい感じがする
ツカサさんは
予想通り 患者さんのようだった
病人みたいな服を来ていると思ったらまさか
本当に病人だったなんて
大丈夫なのかな…?
よく考えたら誘拐されたかもしれないんだった
やっぱり、知り合いが居るというのは
心強いみたいで それがコウならなおさら
コウも同じ事を思ったみたいで
思い出した様にこちらを見ていた
きっと今、他の人は赤の他人ばかりで
心細いんだろう なんだか悪いな…
アマネちゃんは
とても可愛い 女の私より可愛い男の子だ
いや間違えた男の"娘"だった
アマネちゃん、で良いんだよね?女の子みたいにって言ってたし…
イブキさんは
クールで群れなさそうで
なんだか頭の良さそうな人だ
ただちょっと苦手かもしれない
ミチルちゃんがそういうと
くまの人形はミチルちゃんの手から離れ
さっとお辞儀をして
またミチルちゃんの腕の中に帰っていった
それを見て、皆唖然としていた
そんな話をしていると、
突然、ドアがバンッ!と大胆に開いて
2人の人が入ってきた
ゲームマスター…?サブマスター…?
ゲームでも始まるというのか?
やっぱり誘拐されていたのか…
これから何が始まるんだ?
デスゲーム…命をかけたゲーム…
きっと協力すれば、すぐ終わるんだよね…?
この人は…馬鹿なんだろうか…
どことなくコウに似ているような
あの方?
上の人がいるのか…
ということは組織的なものなのか
まあそりゃそうか、超能力でも持ってなきゃこの子達にはこんな人数誘拐出来るはずがない
『鬼ごっこ』…?
命をかけたゲームだなんて言うからどんなゲームをするのかと思ったけど、まさか『鬼ごっこ』だなんて拍子抜けもいい所だ
皆同じ事を考えているみたいで唖然としてたり、笑みが零れている人もいる
どうりで、やっぱりか
あの馬鹿みたいなニコニコした子が決めたのなら納得もできる
『鬼ごっこ』だなんて、ただ逃げれば良いだけなんだから、誰も死ぬ訳ないよね…?
また出てきた あの方 という人
一体誰なんだろう…
そう言い残して2人はドアの向こう側へと行ってしまった。
…これからどうなるのだろうか
きっと、協力すれば、最終ゲームまで皆で残れるよね…
きっと大丈夫、大丈夫、大丈夫なはず…
▶ To be continued …
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どうも、こんにちは作者です
これから毎回か分かりせんが
最後に簡単な絵を付けたいと思います
この絵、誰が描いたと思いますか?
そうです、なるです私です
意外でしょう。わかりますよ信じ難いですよね
Twitterの方見ていただけると分かるのですが
なるは基本的に絵描きです
ということで、一番下まで読んでくれたら
もしかしたら絵がついてるかもしれません
たまにいいねしてくれた人勝手に載せるかも
まあそれは おいおい決めるとして
それでは!読んでくれてありがとう!
また次回会いましょう!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!