そう言って、にこっと微笑む。
あなたの妹の名前は終始困惑しているようだった。
今ではすこし、あなたの妹の名前や、私の家系の悪魔を憐れむ。
だって、知らないんでしょう。
努力して、答えを見つけたときの快感を。
そりゃあ、天才や才能がある悪魔が努力しないという訳では無いけれど、
才能がない私みたいな悪魔の努力量と、感情を。
私は鞄をさっさと家へ置いて、
家から出ていった。
外へ出て、のんびり息を吸いながら、散歩をする。
私はこれから先も一生セイティス家として生きていくし、
それに意義を唱えるつもりもない。
もしかすると一生、唯一才能のない悪魔として
憐れられることもあるかもしれない。
でも。
私は今でもフルートのこと、そんなに好きじゃないし、自分のこともそんなに好きじゃないけれど。
私は、「才能なんてないから」って
泣いてあげないし、傷付いてもあげないから。
私が1人、散歩をしていると、
学校帰りか、プルソン君とすれ違った。
そういえば、プルソン君と喧嘩していたような…、
なんて考えていると、プルソン君が口を開く。
喧嘩なんてしたことをまるっきり忘れたように、
賞賛してくるプルソン君に、少し笑ってしまう。
あのとき、プルソン君が怒った理由、
やっとわかった。
ああ、この質問。
やっと私、答えられるようになったよ。
いつか、幼い日に描いた夢は。
私の中で、笑っているような気がした。
完結〜!!あとがきも投稿されてるはずなので
よければお願いします!
あとちなみに、この作品や私に対して
質問とかあればください!
ほんとにおねがい質問くださいおねがい((
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。