朝、目が覚めたときから、少し世界が遠かった
天井がゆらゆらして、頭の奥がじんわり痛い
起き上がろうとしてやめた
身体が言うことを聞かない
喉もからからだった
呼んだつもりだったけど、声はほとんど出なかった
ドアが開く音がして、しょうにぃの影が差し込む
近づいてきて、頭に手が触れた瞬間
しょうにぃが息を吸うのがわかった
その言い方が前と違った
怒ってない
責めてない
そう言うと、しょうにぃは、首を横に振った
聞いたら、しょうにぃは少しだけ困った顔をした
その言葉に胸の奥が暖かくなる
病院から帰ると、
頭がぼーっとして、目を開けているのも辛かった
布団に入れられて、
体温計の音がぴっと鳴る
ないにぃの声
いふにぃは、珍しく静かだった
その言葉に、一瞬だけ怖くなった
でも――
次々に出る声は、全部僕のためだった
それがまた少し不思議だった
昼過ぎ
熱でうとうとしていると、小さな気配を感じた
りうちゃんだった
マスクが少し大きくて、ズレている
しょうにぃに止められながらもりうちゃんは一生懸命腕を伸ばす
そう答えると、りうちゃんは、一瞬考えてから言った
その言葉が、熱でふらふらな頭に、優しく落ちてきた
りうちゃんは満足そうに頷いて、離れたところから、手を振ってくれた
夕方
喉が渇いて目を開けると、枕元にコップが置いてあった
しょうにぃだった
何が、とは言わなかった
でも、しょうにぃはすぐに否定した
その言葉にすこしだけ笑いそうになった
それを聞いて、なぜか安心した
前は、自分がいないと怒られてる気がしてた
迷惑をかける気がしてた
でも今は、「休んでいい」って言われてる
夜
熱はまだあるけど
心は少し静かだった
布団の中でぼくは思った
でも、今は具合が悪くなくても、ちゃんと見てもらえてる
それがなにより嬉しかった
ドアの向こうで兄たちの小さな話し声がする
その音を聞きながらぼくは目を閉じた
熱に浮かびながらそう思えた夜だった
ねくすと⇒『もう一度、始める朝』
ほんとーに遅くなってすみません……
小説を書いてない間にもう一ヶ月がたとうとしていて、びっくりしました、
これから、ほかの小説も頑張って更新していきます(たぶん)
みなさんすごく前ですけど、インフル大丈夫でしたか??
これから花粉症のシーズンなので、体調に気をつけてくださいね!!












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。