第46話

手を繋いで2人で歩く道
7
2026/01/30 10:34 更新
朝、目覚めた瞬間に浮かんだのは、としみつの笑顔だった。


……夢じゃなかった


まだ少しだけ唇が火照ってるような気がして、
布団の中で顔を隠しながら、ゆっくりとその夜の記憶をたどる。
としみつ
としみつ
‘’好きだ。どれもこれも、俺は全部好き”
あの時の声、あのキス、全部覚えてる


嬉しくて、照れくさくて、泣きそうになって──
でも、心のどこかがちゃんと安心している。
ようやく、叶った恋がそこにあると感じられる朝だった。
スタジオでのネタ会議日。


今日も2人は自然に隣に並んでいた。
でも、いつもの“自然体”とは違う。
少しの沈黙さえ心地よい。
としみつ
としみつ
ん、髪にホコリついてる
あなた
……あ、ありがと
としみつがさりげなく指先で取ってくれて、ふと目が合った時、つい口元が緩んでしまう。


すると、としみつも照れくさそうに笑って言った。
としみつ
としみつ
昨日から、なんかお前の顔ずっと見たくなるんだけど……これ恋人あるある?
あなた
……うん。多分ね
としみつ
としみつ
じゃあ俺らも立派な“カップル”ってことか
あなた
……やめて、恥ずかしい
としみつ
としみつ
ふふ、顔真っ赤やん
でも嬉しい……


2人だけの小さな世界が、今ここにある。
ネタ会議後
人気の少ない所で、としみつがぽつりと呟いた。
としみつ
としみつ
俺さ。ほんとはもっと前から、
誰にも渡したくないって思ってた
あなた
……うん
としみつ
としみつ
でも、それ口にしたら、お前に“重い”って思われそうで言えんくて
あなた
……それ、私も思ってた
としみつ
としみつ
え?
あなた
私も、としみつが誰かと笑ってるだけで、
胸がぎゅってなることあった。
でも独占欲って思われたくなくて黙ってた
2人の視線が自然と絡まる。


まるで、心が言葉より先に繋がっているみたいに。
としみつ
としみつ
じゃあさ、今日からは遠慮やめよ
あなた
……え?
としみつ
としみつ
俺が好きって思ったら、ちゃんと伝えるし。寂しいって思ったらすぐ言う。全部お前に正直に伝える
あなた
……うん。私もそうする
そして、としみつがそっと手を伸ばした。
としみつ
としみつ
手、出して
あなた
……うん
差し出された手と手が、ゆっくりと重なる。


その瞬間、私は驚いた。
あなた
……えっ?
としみつ
としみつ
ん?
あなた
なんか……指、震えてる?
としみつ
としみつ
……あ〜……うん。
照れてるんだ、俺も
あなた
……ふふ
としみつ
としみつ
笑うなよ
あなた
可愛いなって思って
としみつ
としみつ
……はいはい。俺の負けだわ
肩を並べて歩く帰り道。
握った手からじんわり伝わるぬくもりが、
これからの未来を照らしているような気がした。
その夜。
ベッドで横になりながら、トシの寝ているクッションに目をやる。
あなた
……ありがとう。
私ほんとに幸せだよ
トシは目を閉じたまま、小さく口角をあげた。
トシ
トシ
よかったな
あなた
……でも、なんだか……ね
トシ
トシ
ん?
あなた
トシとこうしてる時間も少しずつ終わりに近づいてるのかなって、そう思うと……胸がちょっと苦しくなる
トシ
トシ
……お前なら大丈夫や
優しくて、どこか切ない声だった。

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