夾くんは、私の震える手を引きながら、
学校の外へと連れていってくれた。
夾くんの顔がすごく優しくて、見ているだけで、涙が溢れそうになる。
何も聞いてこないのは、きっと彼なりの気遣いだ。
少し照れながら、その言葉を口にする。
そういうところは昔から変わらないね。
自販機のほうを指差し、わたしに尋ねる夾くん。
近くの公園のベンチに二人で座る。
夾くんのお陰で少しずつ落ち着いてきた。
さっきは少し動揺しちゃっただけ
あの家を出る時にこうなることくらい想像できた。
それでも、あの家をでたかった。
それに、
私は家を出たことを後悔していないし、
これからだって後悔するつもりはない。
怖いけど、これが私の選んだ道だから。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。