第45話

心操くんと
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2026/10/07 03:00 更新
訓練が終わり、部屋で一息つく。
今日も、音波を使った技を考案していた。

そういえば、と、もらったメモ用紙を見て、心操くんにメッセージを送る。
しばらく待っていれば、心操くんから返事がきた。

「相澤が忙しくなければ、明日の朝今日と同じ場所で会わない?」だなんて。

私は全然構いませんが、心操くんの方こそ、忙しくはないのだろうか。
そう思いつつ、「ぜひ、お会いしましょう」と返事をした。
翌朝、いつもより少しだけ早く起きて、約束の場所へ向かう。
心操くんの捕縛布……改め操縛布の練習に、付き合わせていただけるようだ。

私も、体術の練習をしたかったし、都合がいい。
そう思って、快く承諾した。

少し早かったですかね。
そう思いつつも到着すれば、心操くんがまた絡まっていた。
心操人使
……ごめん、呼びつけたのに
あなた
いえいえ、私も少し早く来てしまいましたし
解くお手伝いをして、また操縛布を心操くんの肩に乗せる。
昨日振りですね。
あなた
早速やりますか?
ジャージの砂埃を払う心操くんに、問いかける。
心操人使
うん
切島鋭児郎
10秒、相手の動きを封じたら勝ちで
心操人使
“個性”も使っていい、本気でやってほしい
心操人使
……いいかな?
確認するように言われて、咄嗟に頷く。
本気、ですか。

舐めてかかっているというわけではないですが、少し心配ですね。
でも、相手は真剣なのですから、それには応えるのが礼儀というものですよね。
あなた
じゃあ、始めましょうか
あなた
……10
カウントを終えて、組み敷いた腕を緩める。
最後少し強く抑えすぎたかな、なんて一人反省をしながら、立ち上がった。
続けて心操くんも立ち上がって、肩を回している。
心操人使
やっぱり、経験の差が大きいのかな
まったく奇妙なことであるが、肩を揺らしながら言う心操くんが、どこか寂しげに見えた。
あなた
確かにそれはあると思いますよ
経験に勝るものなし、というのも、案外当てになるものだったか。
あなた
ですが、こちらを観察し、機動で追い詰める方向性に動いたのは、すごくいいかと
「私の弱点だって、言ってましたっけ?」と続けながら、額の汗を拭う。
心操人使
聞いてなかった……と思う
心操人使
逆に、その尾鰭?いつ使うのかずっと気にしてた
あなた
尾鰭、ですか?
言われてみて、自身の後ろ側に目線をやる。
心操人使
結構筋肉がついてるように見えたから……こう、弾いた反動、とか移動に使えるのかなって思ったんだけど
……まぁ。
これはまた、新しい視点を。
反動で……確かに、尾鰭は筋肉の塊のようなものですし、可能かもしれませんね。

尾鰭は泳ぐための器官、という前提が、妨げになっていた。
心操人使
……ごめん、違った?
あなた
あっいえ! すみません、思考に夢中になっていました
あなた
その、尾鰭を陸上で使うという発想が、なかったので
この超常社会だ、常識にとらわれる必要なんて、どこにもない。
あなた
あの! 色々試したいのでお暇してもいいですか?
心操人使
もちろん。こっちが無理言って誘ってるし
こちらも好きでやっているので、無理ってわけでも無いですが……まぁ、いったところで、ですかね。
あなた
ありがとうございます! では、ぜひまた!
そう言って、その場を後にした。

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