第11話

お説教
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2026/02/18 03:00 更新
相澤消太
で、理由をもっと詳しく訊きたいんだが。
あまりの圧に気圧され、大人しく事情を説明する。
あなた
テスト中にも言いましたが、通学中に”個性”が暴走している子どもを見かけまして。
落ち着かせて、小学校まで送ってから登校しまして。

そんな風にして状況を詳しく説明した。
お父さんは軽くメモを取りながら、しっかりと私の話を聞いている。まるで尋問だ。
相澤消太
で、怪我は?
あなた
それは、子どもの”個性”ですね。
あなた
刃物系の”個性”だったので。
あなた
なるべく避けようと思ったのですが、手袋ごとさっくりと。
あなた
あ、でも顔はちゃんと避けましたよ。
そう伝えれば、手だけで済んで良かったよ。と返ってくる。
ちゃんと説明した分、思った以上に怒ってはいないようだ。
相澤消太
……それと、小学校を通じてその子どもからお礼の手紙が雄英に届いた。
そう言って渡された手紙を開いてみれば、「ありがとう」という文字が、紙いっぱいに大きく書いてある。
あなた
……すごく、嬉しいです。本当に、ヒーローみたいで。
小さく口に出せば、お父さんはくしゃっと頭を撫でてきた。

私、もうそんなに子どもじゃないです。
相澤消太
そのヒーローになるんだろ?ったく、あんなに止めたのに。
困った娘だ。なんて言って、お父さんは撫でる手をぽん、としてから離した。
軽く髪を整え直した後、手紙をしまいに立ち上がれば、お父さんも立ち上がる。
よく見れば、部屋着に着替えている。

さては、帰るつもりがないですね?
あなた
泊まっていくつもりですか?
相澤消太
ダメだったか?
少し考えて、ダメではないですね、と返す。
あなた
あ、泊まっていくなら布団出してください。あと、夕食作るので手伝ってもらってもいいですか?
なんて、少し頼み事をしてみる。
お父さんは、わかった、と承諾してくれた。
頼んでみて思ったが、高校生とはいえ、私もまだまだ子どもらしい。
この一人暮らしだって、先週始めたばかりだし。
相澤消太
あーあ、すっかり大人びちゃって。
そんなことないですよ。と返してみた。
少し考えた様子で、そうかもしれないな、と笑うお父さんから、子どもの頃のように安心感を受け取った。

私も、こんなヒーローになりたいです。

なんてひっそりと思いながら、食事の準備をする手をはやめた。

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