あまりの圧に気圧され、大人しく事情を説明する。
落ち着かせて、小学校まで送ってから登校しまして。
そんな風にして状況を詳しく説明した。
お父さんは軽くメモを取りながら、しっかりと私の話を聞いている。まるで尋問だ。
そう伝えれば、手だけで済んで良かったよ。と返ってくる。
ちゃんと説明した分、思った以上に怒ってはいないようだ。
そう言って渡された手紙を開いてみれば、「ありがとう」という文字が、紙いっぱいに大きく書いてある。
小さく口に出せば、お父さんはくしゃっと頭を撫でてきた。
私、もうそんなに子どもじゃないです。
困った娘だ。なんて言って、お父さんは撫でる手をぽん、としてから離した。
軽く髪を整え直した後、手紙をしまいに立ち上がれば、お父さんも立ち上がる。
よく見れば、部屋着に着替えている。
さては、帰るつもりがないですね?
少し考えて、ダメではないですね、と返す。
なんて、少し頼み事をしてみる。
お父さんは、わかった、と承諾してくれた。
頼んでみて思ったが、高校生とはいえ、私もまだまだ子どもらしい。
この一人暮らしだって、先週始めたばかりだし。
そんなことないですよ。と返してみた。
少し考えた様子で、そうかもしれないな、と笑うお父さんから、子どもの頃のように安心感を受け取った。
私も、こんなヒーローになりたいです。
なんてひっそりと思いながら、食事の準備をする手をはやめた。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。