第12話

こなせ戦闘訓練
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2026/02/25 03:00 更新
本格的に授業が始まり、午前は座学、午後はヒーロー基礎学が行われる。

やはり雄英、座学も進むペースが早い。
予習復習をこなさなければ置いていかれそうだ。

とはいえ、今からはヒーロー基礎学。
今日の授業では戦闘訓練を行うらしく、入学前に要望を出していた戦闘服コスチュームを纏い、演習場に集まった。
麗日お茶子
あなたの下の名前ちゃんのコスチュームかっこいい!
麗日お茶子
軍服?みたいな感じか!
お茶子ちゃんがそう言って、腕をぶんぶんと振っている。
あなた
はい。マッコウクジラは時折潜水艦に喩えられるので、そこからインスピレーションを受けました。
形から入るのも、悪くはないでしょう?

そんな会話をしながら、戦闘訓練は始まった。

2人1組を作るくじ引きの結果、奇数クラスである以上必ず1人になる者が現れる。
そう、私だ。

全チームの訓練を見た後、好きな相手を2人指名し、戦うことができるらしい。
自身を有利にして勝つも、不利にして実力を磨くも自由。
まぁ、私としては後者を選びたい。

各チームの試合を観ながら、相手取るのが難しそうな人を探し、ようやっと、2人選ぶことができた。
あなた
百ちゃんと、切島くんでお願いします。
こちらがヒーロー、相手の2人が敵で訓練を行うことになった。

“個性”の汎用性が高い百ちゃん、打撃が効きにくいであろう切島くん。
さて、どう戦ったものか。

思考を巡らせながら待っていれば、スタートの合図が鳴った。

こちらは“個性”が見た目でわかりやすい以上、できることが割れているはずだ。
ましてや、たくさん知識を持っていそうな百ちゃんは、索敵を逆手に取って、こちらの位置を把握して来る可能性もある。
あなた
それを見越して索敵をしないのもアリか……
とにもかくにも、まずはすぐに応戦できる体制にしなくては。
コスチュームの要望に併せてサポート会社に注文したサポートアイテム、伸縮式の戦闘用ロッドを伸ばし、短棒程度の長さにする。
移動用ロッドは、今回出番がなさそうだ。

屋内戦である以上、普段の六尺棒は使えない。
短棒は練習期間が短い分そこまで得意ではないが、仕方がない。

屋内に入り周囲に警戒しながら進む。

……核兵器ハリボテの場所もわからず移動するのは、タイムアップのリスクが高いですね。
あなた
仕方ないですね。逆探知のリスクもありますが……
クリック音を発し、索敵を開始する。

……なるほど、1人が核兵器ハリボテを守り、1人が近づいてきていますね。

おそらく、百ちゃんが逆探知をしている。
ここまでは、予想通りだ。

核兵器ハリボテの位置は把握した。
切島くんの接近が怖いが、索敵をやめ、動き回る。

逃げ切ってハリボテに触れれば、私の勝ちだ。
切島鋭児郎
いたぞ!索敵サンキューな八百万!
そう思った途端に切島くんに攻撃を仕掛けられた。
なるほど、逆探知ではなくあちらから。

その可能性は考えてなかったですね。まだまだ思考が甘かったです。

正面から来てくれたおかげで避けられたが、なかなかまずい。

とにかく打撃が効くかどうか、思い切って叩くが、予想通りあまり効いていないようだ。
あなた
ですよね。予想通りです。

それなら。

切島くんに向けて音波を発し、集中力を削ぐ。
切島鋭児郎
うお?!
その隙に打撃を与えて気絶させ確保証明のテープを巻こう、そんな作戦で近寄る。

殴ろうと振りかぶったその瞬間、ネットに動きを阻まれる。
八百万百
させませんわ!
あなた
嘘でしょう、
いつの間に。

ネットガンを創造したのか。
それでもネットさえなんとかすれば、まだ、
あなた
い゙っっっ?!
そう思ったのに。
切島くんから頭突きをもらい、動きを阻まれている上の不意打ちには耐えられなかった。

体制を崩したところにネットが絡まり、解けない。
切島鋭児郎
オッシャア!捕まえたぜ!
手足を押さえられ、行動不能になる。

それを証明するように終了のブザーが鳴った。
講評を終え、午後の授業が終了した。
教室に帰ってノートを開き、戦闘訓練の分析をする。

そうしていれば、大怪我をしていた緑谷くんが帰ってきて、教室が盛り上がり始めた。
自身の席の目の前に大人数が集まったので、ノートの走り書きを見られては恥ずかしい。

ノートを閉じようとしたが、梅雨ちゃんに声をかけられ、その手を止める。
蛙吹梅雨
あなたの下の名前ちゃんは何を書いているの?
あなた
先程の戦闘訓練の振り返りです。
そんな話をすると、他の緑谷くんに集まっていたクラスメイトもこちらに興味を示し、たくさん声をかけていただいた。

今日だけできっと、クラスのほとんどの人と会話をしただろう。

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