センラside
あなたのことが好きなんだ。
どうしようもないくらいに………好きなんだよ。
いきなり口元を覆われた。
覆った犯人はあなたのようだ。
な、んで?
あなたの手に力がグッと入る。
それと同時に息がしにくくなった。
ちょ、苦しっ……。
あなたの手は……かすかに震えている。
うつむきがちの顔は………今にも泣き出しそうだった。
分からない。
なにがどうなっているんだ。
あなたは………何を思っているの?
限界が近づいているため、手を離してもらおうと軽くあなたの手をトントンとした。
あなたは目を見開いて、バッと勢い良く後ずさりした。
やっぱり…俺のことは好きになってくれないのかな…
その先を言ったら……もう戻れないような気がした。
心の中に閉まっておくことなんてできない。
この気持ちを………止めることなんてできない。
でも……あなたは俺の…浦島坂田船のメンバー全員の事を考えてくれている。
それなのに俺があなたの頑張りを壊してどうする。
だから………
『好き』
その2文字も……口から出ることなく俺の中で溶けた。
ふと、顔を上げあなたを見ると、部屋のどこか一点をただただ静かに見つめていた。
その姿があまりにもきれいで………切なくて……胸が締め付けられる。
見ていられなくてまたうつむく。
沈黙が部屋を包む。
あなたがポツリと呟いた言葉……。
俺は思わずあなたを凝視した。
きっとこの船旅は長い…。
何年…何十年もかかるかもしれないのに…。
それでも…俺を待っててくれるの………。
声が震える。
情けない姿を見せているだろう。
こんな俺を受け入れてくれるのはメンバーと……
君だけだ。
あなたは念を押すようにまたか細い声で、けれどもしっかりと口にした。
─────────
次で最後になりますかね………。なんだか寂しくなります……(๑°ˊ ᐞ ˋ๑)














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。