天日side
夜空を見上げていると光線が伸びているのを見かけた。
文明の名残──鏡が複数寄り集まった謎の建造物に月光が反射し、
丘の一点を照らしているようだ。
光線が照らす先に向かえば、
何万年も閉じたまま開くことの無かった、石扉が開いていることに気付く。
扉の内部は洞窟のようになっており、
少し進んだ先に意識を失った、1人の男の人が倒れている。
…訂正しよう。人ではない。
頭に山羊のような角が生え、鋭利な爪を持った大きな異形だ。
呼吸をしているため、倒れている男は生きているようだ。
しばらくすると、彼は、僕の呼びかけで意識を取り戻す。
数千年…いや数万年だろうか。
人との対話が無かったため、何を話せばよいのか分からない。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!