第13話

その後のさのすえ
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2025/01/03 03:48 更新
夜の街は静寂に包まれていた。任務を終えたばかりの晶哉は、心臓が壊れそうなほど高鳴る鼓動を感じながら、誠也を呼び出した。指定した隠れ家の裏庭には、冷たい冬の風が木々を揺らし、かすかな葉の音が響いている。

晶哉は目の前に立つ誠也を見つめ、息を深く吸い込んだ。


晶哉「…誠也さん。」

その声に誠也がふっと笑みを浮かべる。

誠也「どうしたんや、晶哉?なんや改まって。」


晶哉の手がぎゅっと拳を握りしめた。冷たい空気が肺に染みる中、ようやく言葉を紡ぎ出す。


晶哉「俺、ずっと言いたかったんです。でも、怖かった。誠也さんに嫌われたらどうしようって思ったら、なかなか言えなくて…」


誠也の顔に少し驚きが浮かぶ。けれど、彼は真剣に晶哉の言葉を待っている。


晶哉「でも、今日の任務で思ったんです。自分の気持ちを伝えないまま後悔するのは嫌やって。」


晶哉はその場に立ち尽くす誠也を見下ろした。彼の視線は少し揺らいでいるが、次の言葉には一片の迷いもなかった。


「俺、誠也さんのこと大好きです。俺の恋人になってくれませんか?」


静寂が訪れる。晶哉は自分の鼓動が耳に響くほど早くなるのを感じた。返事がない時間が永遠のように感じられたその瞬間、誠也が小さく笑った。


誠也「…ほんま、お前はそーゆとこ……アカンわ…」

その言葉に晶哉の顔が青ざめる。断られると思った瞬間、誠也がそっと彼の頬に手を添えた。


誠也「俺もお前のことが好きやで、晶哉。」

晶哉「えっ…ほんまですか?」

晶哉の目が驚きに見開かれる。

誠也「ああ、ほんまや。お前が素直に気持ち伝えてくれて嬉しいわ」

晶哉は信じられない思いで目を瞬かせたが、次の瞬間、誠也が今までで1番優しい笑顔を浮かべた。

誠也「これからもよろしくな。」

誠也の低い声と共に、二人の距離がゆっくりと近づく。

唇が触れ合う一瞬は、晶哉にとって時間が止まったかのように感じられた。優しくて温かいその感触に、胸の中が愛で満たされていく。

やがて二人はゆっくりと唇を離す。晶哉の顔は真っ赤だったが、意外にも誠也の頬も赤く染まっていた。

晶哉「…誠也さんもドキドキしてるん?」

誠也「……当たり前やろ//…好きな奴とキスしてんねんから…」

少し伏し目がちに、そう呟く誠也を見て、晶哉は自然と可愛いと思った。しかし、それを言うと彼は拗ねてしまいそうなので、晶哉は心の中に留めておくことにした。

晶哉「…俺、これからもずっと誠也さんを支えます。」

静かな夜空の下、二人の新たな物語が始まった。

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