静かな夜の風が街を包む中、健は指定した公園で待っていた。手の中で小さな石を転がしながら、心臓が破裂しそうなほど緊張している。これまでのどんな任務よりも、今が一番怖かった。
少し離れたところから、正門の穏やかな声が聞こえた。
正門「健、急に呼び出して何か用か?」
正門は相変わらず落ち着いた様子で、健に歩み寄ってくる。その姿を見た瞬間、健の胸はさらに高鳴る。
健「ま、まっさん…ちょっと話あんねん」
健は視線を彷徨わせながら正門の顔をちらっと見た。
正門は健の様子に気づき、少し首を傾げた。
正門「なんや、健がそんなに真剣な顔するなんて珍しいな。何かあったん?」
健はぐっと拳を握り、深呼吸をして意を決する。
健「俺…俺、ずっとまっさんのこと好きやったんや」
その言葉に、正門の目がわずかに見開かれる。だが、彼はすぐに落ち着きを取り戻し、静かに健を見つめた。
正門「…どういう意味?」
健は顔を真っ赤にしながら、それでも逃げずに言葉を続けた。
健「ただの仲間とか、リーダーとしてとか、そんなんやなくて…一人の男として好きやねん。俺の恋人になってくれへんか?」
正門はしばらく何も言わずに健を見つめていた。その静かな眼差しに、健の心臓は今にも止まりそうだった。
やがて正門が静かに口を開く。
正門「…健、お前ほんまに俺なんかでええんか?」
健「ええとかそんなんちゃう!まっさんやからええんや!」
健は勢いよく言い返す。彼の真剣な声に正門はふっと笑った。
正門「…そうか。ほんなら、よろしく頼むわ」
その言葉を聞いた瞬間、健は目を輝かせた。そして感情が溢れ出し、勢いよく正門に飛びつく。
健「まっさん、ほんまありがとう!俺、めっちゃ嬉しいわ!」
正門は驚きつつも、健を優しく受け止めた。
正門「ほんま、健は子犬みたいやな…」
その言葉に健は顔を上げ、勢いのまま正門の頬にキスをする。
「これから俺、まっさんを絶対幸せにするからな!」
正門は目を丸くしたが、すぐに柔らかく微笑んだ。
正門「…よろしく頼むで、健」
二人の距離が縮まった夜の公園には、冷たい風とは対照的に、温かな空気が流れていた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!