突然身体を引っ張られた私は、気が付くとハグリッドの小屋の近くの茂みの中にいた。
三人が小屋に入り扉が閉まるのが見えた。慌ててみんなを呼ぼうとした時、後ろから口を押さえられた。
聞き覚えのある声が耳元で小さく聞こえた。慌てて振り返ると、そこには驚くべき人物が立っていた。
私は思わずその人の名前を呼んだが、口を押さえられていたため、変な呻き声にしかならなかった。
耳元で彼の吐息が熱くかかり、私は思わず身を固くした。金髪に碧眼のその人物は、ドラコ・マルフォイ、その人だった。
私たち、いつの間にかドラコに付けられていたんだ。
じゃあ、さっきの声はドラコの…?
私は頭の中でいろいろと考えを巡らせていた。すると、彼が耳元で静かに言った。
私がその言葉に静かに頷くと、彼は手を放してくれた。
ドラコにそう尋ねられ、私は返答に困って口をつぐんだ。彼に『賢者の石』のことを話すのは、良くない気がしたからだ。私が何も言えずドラコを見つめたまま黙っていると、彼は大きく息をついて言った。
一瞬表情を緩めたドラコの言葉に反論しようとすると、彼は再び厳しい顔付きで言った。
私が言うと、彼が下を向いてぼそっとつぶやいた。
ドラコがきっぱりと言った。
私は渋々ホグワーツの方に足を向けた。するとドラコがすれ違い様に小さくつぶやくように言った。
私は驚いて後ろを振り返った。
私が目を見開きながら言うと、ドラコは慌てて答えた。
そう言って彼は、私から顔を背けた。
私がそう言うと、ドラコは私の方をチラッと見て、また顔を背けた。あまりに一瞬でドラコの表情は見えなかったが、彼の耳は真っ赤に染まっていた。
彼は顔を背けたままそう言うと、私の背中をグッと押した。
寮へ向かってひとり静かに歩いていると、ちらちらと小雪が降りはじめた。吐く息は白く、身震いするほど寒くなり、私は思わずマフラーに顔をうずめた。すると冷たかった私の頬は、ほんのりあたたかくなった。
このマフラーは、ドラコからのクリスマスプレゼントだったんだ…。そう思いながらマフラーに顔をうずめていると、私は頬だけでなく心まであたたかくなった気がした。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。