第14話

星が降った日
1,148
2019/07/07 13:15
父
い、いつから?
グク
グク
あー、1ヶ月くらい前?
父
何で父さんに連絡しないんだよー
グク
グク
ごめんて
父さんは拗ねたように口を尖らせる。
子供っぽいなんて言えないからつまらないよな。
父
どっちから?どっちから?
グク
グク
…俺から
父
お父さん胸キュンした今
息子よ…成長して…。と、頭を撫でようとするが、俺はスッと避けた。子供扱いするな。
父
誰!誰なんだ!?
グク
グク
キムあなた。父さんも知ってるだろ?
父
えぇ!あの子なのか!?
あの子は良い子だぞぉー。仕事もできるし、気も遣えるし。良い子選んだなぁ
実際話した事ないけど。と、付け足した父さん。
俺はズルッと滑りたくなる。
父
雰囲気だよ雰囲気
グク
グク
雰囲気って…
何処が好きなの?何処で告った?など、
息子の恋愛に興味津々な父親。
この立場は母親が多い気がするんだが…。
グク
グク
あー!もういいから帰れってー!
父
父さんまだ聞き足りない!
グク
グク
俺はもう恥ずかしいほど話したんだよ!
父
えぇー!!
俺の前じゃこんなんだが、
会社の人達の前だとキリッと変わるんだから、
みんな騙されるわけだよ本当に。
俺は父さんの背中をぐいぐい押して、
無理やりドアの外に出す。
父
もっと話し聞きたかったんだが…
グク
グク
これ以上何を聞くっていうんだよ…
ショボーン…と、あからさまに沈む父。
俺は小さくため息をついた。
父
家に後で呼びなさいね
グク
グク
……いつか、な
本当にいつかだけど。
そう思いながら歩き出す父を見送る。
危ない。これ以上質問されたらいらん事答えてた。
グク
グク
あのタイプは危ないなぁ
小さくそう呟いて、後ろを向く。
その瞬間、驚きで声が出なかった。
you
you
随分と…お元気なお父様ね
グク
グク
…あなたか
後ろを向けば、目の前にあなたがいるものだから、本当に焦る。座敷わらし見つけたみたいな。
you
you
今なんか失礼なこと考えてたでしょ
グク
グク
別に
俺はジィッと見られる視線から目を逸らした。
絶対嘘だってバレたよな。
グク
グク
そんなことより何の用?
you
you
はい、これ
何かのプレゼントかなー?なんてウキウキして、
両手を出せば、ドサドサッッ!と置かれる紙。
字をよく見れば、報告書やら何やら。
you
you
仕事です♡
グク
グク
何が嬉しいのかニヤニヤし始めたあなた。
俺は、諦めたように死んだ目で微笑んだ。

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