美女センスってもの知ってる?と、
腕を組みながら名言ぽくミランに問われる。
私はさぁ?と頭を傾けた。
デートの日程が決まってからの休日。
ミランに誘われ、デパートの洋服店へ。
はい名言出ましたありがとうございます。
無地と地味を履き違えるなだそうです皆さん。
私は分かりません。
私は鏡の近くにある椅子に腰をかけ、
ウロチョロするミランを遠目で眺める。
本当に、こういう友達がいるっていいわー。
ミランが持ってきた服を試着室で着替えて、
シャッ!とカーテンを開ける。
私はいそいそと服を脱ぎ、
外にいるミランに渡す。
脱いだままで待ってろと言われたので、
言われた通りに待っていた。
渡されたのは、
白いレースで出来た膝丈下のスカート。
こんな女の子らしいの似合うのかしら。
私は少し疑問に思いながらも、
スカートを履いて、Tシャツをイン。
そしてカーテンを開けた。
いつもタイトスカートか、スキニーしか履かない。
だからか、ヒラヒラしたスカートが凄い違和感。
そのお店でスカートを購入し、
トップスなどが多いお店へ入る。
そう言いながらハンガーをかちゃかちゃ鳴らして
服を眺めるミラン。
そんな時、私は1つの洋服が目に止まった。
ワインカラーの綺麗なシルエットをした七分丈。
手に取ると、後ろからミランが顔を出した。
私は、一目惚れした洋服を持って試着室へ。
こんなに服を着るのにドキドキするのは初めてだ。
洋服を着て、さっき買ったスカートを合わせる。
…あ、綺麗。
私は急いで脱いで購入する。
一目惚れってこういうことか?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。