バレンタインが無事に終わって、
落ち着いてきた頃。
そういえば、と思い出す日がある。
日本発祥、ホワイトデーだ。
まあ私結構忘れかけてたけど……
綺麗にラッピングされた、
二つのクッキー。
いつもこれで、何気に楽しみだったりする。
我が家のホワイトデーは温かい。
みんなで手作りして、お母様がいた頃は
料理が上手だったから特に華やかだった。
そんな穏やかな時間も、一応婚約者の
男の訪問で見事に騒がしくなる。
当たり前のように来年のことを
考えている光士郎は相変わらずだけど……
たまに馬鹿なのか天才なのか
わからない行動をする光士郎を
凡人の私は一生理解できそうにない。
とりあえず目の前の山積みにされた
お菓子が入っている袋や箱の
主張が強すぎるのはわかる。
心なしか輝いているようにも見える
見た目も綺麗なお菓子たち。
光士郎ってこういうの器用よね。
光士郎だってあんな態度だけど、
私のことを思って作ってくれたのは
なんとなく伝わってくる。
お父様やお兄様だって、
下手なりに工夫して頑張ってくれているから。
とりあえず、なんとなく
見た目に惹かれたものでも選ぶ。
何個かは貰っておかないと、
勿体無いし申し訳ない。
その後みんなで父と兄すら呼び出して、
最終的に使用人も頑張って完食しました。
純は途中でパフェにしようと
どこからか持ってきた容器に
お菓子ぶち込もうとしてました。
そういう妄想にあとはお任せします。
ホワイトデー忘れてて危なかった……












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。