第2話

ep.1
380
2026/02/23 14:48 更新
春になると、隣の庭の桜が満開になる。
私と同い年の男の子の家。
小さい頃から家族ぐるみの中で、いつも一緒だった。
幼稚園
「アンシナ泥つけないでよー!!」
「うわ、ごめん!!」

小学校
「あなた待ってって!」
「無理だよ~ん、早く来てってば!」

中学校
「勉強無理すぎる」
「それな、まあアンシナよりかは得意だけど?」
「はあ?笑」
毎日のように小競り合いして、笑って、泣いて、
たまに本気でケンカもして。
でも結局、一緒にアイスを食べて、家に帰るのはいつも同じ。

気づけばいつも隣にいた。
家族ぐるみで、幼なじみの距離が当たり前だった。

「……あの頃から、ずっと一緒なんだなぁ」

そんな思い出が、ふわっと頭をよぎる。
アンシン
アンシン
あなたー!!早くしないと遅刻するー!
隣の窓から声が飛ぶ。やべと思いつつ、私はリボンを直す。
(なまえ)
あなた
分かってるってばー!あとちょっとだから!
家を出ると、玄関前にアンシナが立っていた。相変わらずゲームしながら待ってる。
アンシン
アンシン
お、やっと出てきたーー、あなたのせいで遅刻するとこだった
(なまえ)
あなた
アンシナが急かすから焦ったの!それと女の子は男の子より大変なんですーー
アンシン
アンシン
え俺のせい?笑
(なまえ)
あなた
そうだよ
アンシン
アンシン
関係ないってーーあなたが朝弱いだけじゃん笑
顔を合わせればいつも言い合いをしている。
なぜか、アンシナの前では素直になれない。
でもこの“当たり前”が、ちょっと心地よく思うのは内緒。
(なまえ)
あなた
ほら、行くよ!
アンシン
アンシン
待たせてたのあなたでしょー!笑
(なまえ)
あなた
知らない!笑
そういえば、アンシナの制服姿直で見るの初めてだ。
(なまえ)
あなた
似合ってるじゃん制服
アンシン
アンシン
ん?なんて?
(なまえ)
あなた
なんでもない//
アンシン
アンシン
え~?お願い、もう一回だけ!
アンシナは私に向かって手を合わせながら
なぜか私を見てにやにやしている。
これは絶対聞こえてたな。嫌なやつ。
(なまえ)
あなた
聞こえてたでしょっ!//
アンシン
アンシン
え?あなたの制服姿いいなーーって思って聞いてなかったかもㅋㅋㅋㅋㅋㅋ
そうやって、無意識に褒めてくる。
それはどう思って言ってるの?
幼なじみとして?女の子として?
(なまえ)
あなた
嘘つき、顔に書いてるわㅎㅎ
アンシン
アンシン
さすがあなたㅋㅋㅋㅋㅋ
(なまえ)
あなた
聞こえてたんかいっㅎㅎ
2人で笑い合う。
そうこうしてるうちに学校に着いた。

私たち高校は歩いて15分くらいの場所にある。
だからのんびり歩いて登下校するのが憧れ。
アンシン
アンシン
うわ、あなた着いちゃうってヤバいヤバい
(なまえ)
あなた
ヤバいドキドキしてきた
せーので学校の門をくぐると、満開の桜と少しまだ冷たい春の風が、私たちを「ようこそ。」と迎え入れてくれているかのような気がした。

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