第35話

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2025/02/28 10:00 更新
そういえば、2人で居ても完璧なアリバイにはならないのではないか?とふと思い至る。

犯行時刻に一緒に居たと主張し、もう1人を容疑者から外す。つまりは共犯が成り立ってしまうのではないだろうか。
……もっとも、卒業できるクロは1人だけなのだから、結局は自分が死んでしまうわけであって。共犯にメリットは見いだせない。
だから2人でも充分アリバイにはなるのだろう。
勿論探偵(恐らく、だが)あなたの名字が気がついていないということはないと思うが、’共犯’の可能性についてどう考えるか。聞きたいと思ったが、まあ図書室に着いてからでも問題はないし、むしろ今日である必要もないのだ。恐らくまだ時間はある。焦らず色々な可能性を検討してみるのも悪くないだろうと結論付けた。
天海蘭太郎
天海蘭太郎
あなたの名字さん
あなた
何、天海
天海蘭太郎
天海蘭太郎
転ばないでくださいっすよ
あなた
……わかってる
移動の時間すら無駄にしまいとしているのか、あなたの名字は集中した様子で細かい隅々まで見ながら歩いていて、やはり自分には彼女が探偵というのが嘘には思えなかった。彼女を信じたいと思うものの、やはり探偵が2人いるという事実は気にかかる。もう1人の探偵_最原だって、まだ信じられないとも決まったわけではない。本当に、どちらも本物だった場合、どちらか一方のみを信じるなんて酷いことはしたくない。
だからこそ今は、どちらも信用しない。それでいい。

だから自分はまだ、あのことは誰にも打ち明けるべきではないだろう。
あのことに対してまだきちんと整理ができていない。自分なりに答えを出し、この状況を打破できればそれが一番なのだ。それでも、どうしても無理だと感じた時に彼女に話してみるのが最善だろう、と前を無言で歩くあなたの名字の背中に続いた。

まだ時間はある。大丈夫だ。

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