この愛は【Error】なんかじゃない
















めめあべ軍事パロとなっています。

そのため辛い描写が少し出てきてしまうので苦手な方はご注意ください。




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目黒side






Code name:M-216

これが俺の名前である。

俺は戦うために作られた軍事用ロボット。

21XX年、我が雪の国と隣国の食料や領土をめぐる争いが年々激化し、たくさんの死傷者が出たことにより戦力の補強として俺は生まれた。

鋼の身体、高度な射撃精度、人工知能搭載の検索機能

その他様々な機能が備わっている。

ロボットの役目は1人でも多くの隣国の軍人を殺すこと。

1人でも多くの命を奪い、雪の国の勝利に貢献すること。

ただそれだけだ。

上官は隣国の軍人を殺せば殺すほど
「よくやったな」
と褒めてくれる。

軍事用ロボットの役目を身体が壊れるまで果たし続けるのが俺の唯一の信念であり使命である。

この信念もどうやらプログラミングされているものらしいが。











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上官はいつも俺に言う。

「誰かを愛しちゃいけないぞ。
守るものがあると自分が弱くなるからな、
強い男になるんだぞ。」

愛するという感情などあるはずがない。

俺は軍事用ロボットなのだから。

愛はプログラミングされていない。








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今日もただ目の前の敵を殺す。

俺はどんなに戦っても傷つかない。

だから、今まで数々の戦いを経験してきたが彼にであったことは無かった。

その日はたまたま味方の軍人が足を銃で撃たれてしまった現場に居合わせ、歩けなくなっていたため医務室までその軍人を移動させなければならなかった。

軽い処置を済ませ、止血をしてからその軍人を抱えて歩き出した。

白衣に眼鏡をかけたその人はてきぱきと包帯を準備し治療にあたる。

他にも医務室に訪れた複数の負傷者を同時に1人で治療していく。

まるでその目は軍人のように真剣で。

医療知識もプログラミングされた俺はこの人は優秀な医者なのだろうなと推測した。

どうやら彼の作業を分析している間に治療が完了したらしい。

その軍人は足を引きずりつつも
「阿部ちゃんのおかげだよ、ありがとう」
と言いながら俺にも会釈をして医務室から出ていった。

【⚠︎Caution⚠︎
心臓部の周期の乱れを確認
ただちに制圧済み】

【⚠︎Warning⚠︎
体温が急上昇
体温調節機能が低下しています】

【⚠︎Error⚠︎
体温調節機能、回復の見込みなし】

【⚠︎Error⚠︎
心臓部の乱れ、再発を確認
制御不能】


【⚠︎Error⚠︎
プログラムの異常があります
今すぐ再起動してください】









【強制シャットダウンを行います】

意識が途切れる最後に俺の名前が呼ばれた気がした。





















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「恋だな」
















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『心とは人間の行動原理であり、感情や思考を司る人間の核となる部分である

（中略）

生者と死者の重さを比べてみると死者の重さの方が軽くなる研究結果が出ており、これはこころの重量であると考えられーーーーーー

｢心のあり方について考える｣/21XX年発行  より』








『恋は相手に対して持つ憧れや好きという感情の集大成
相手を思う気持ち
相手の美しさ、個性に惹かれること


一般的に感情の持たないロボットが持つものでは無いーーーーーーー

「ロボット心理学」/21XX年発行  より』















俺は読んでいた本をそっと閉じた。

深澤教授に言われた通りこのErrorが恋だった場合、どうすればよいのかを調べてみようと思い、軍事基地内の図書館で本を漁ってみたが、予測していた以上に難航していた。

恋とロボットはやはり水と油のように縁のない関係であろう。

これは恋ではない。

【⚠︎Warning⚠︎
ーーーーーーーー】

【⚠︎Warning⚠︎
ーーーーーーーー】

【⚠︎Error⚠︎】

【⚠︎Error⚠︎】

【⚠︎Error⚠︎】

.........

【⚠︎Error⚠︎】


















...っるさい、、うるさい、、うるさい、うるさいうるさい！！！

もうError音なんか聞きたくないんだ！！！











俺は銃を構えた。

この人がいなくなればこのError音は消えるはずだ。

これで、これで、うるさくない。





















なんで、この人がいなくなればこのError音が消えると確信できる？

















「だから言ったじゃん
それが恋だって」





どこかからあの気だるげな俺の生みの親の声が聞こえてくる気がする。


















認めよう。

これは恋だ。













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そういって少し赤くなった頬と水分量の多い目をを軍人たちのカルテの方へ向ける。

その横顔を見た時、俺はこの世界にこんな美しいものがあるのかと初めて感動した























...to be continued