悟との約束から月日が経ち…
私は遂に20歳の誕生日を迎えようとしていた…
月影家当主となってもう2年となる…
私が高専を卒業した年に両親は死んだ…
両親は比較的呪力や霊力は少なく、
等級は2級だった…
なのに…
その日両親の前に現れたのは10体の1級呪霊…
絶体絶命…
両親はきっとそう感じただろう…
そして、息をするようにそれは失われた…
まるでそれが当たり前のように…
この世のことわりのように…
2人の命の価値を否定するように…
それでも2人は術師として死んだ…
その事だけが両親の生きた意味を見出す…
両親の惨殺された姿は見るに耐えられない姿で…
体の形は崩れ、ただの得体の知れない肉の塊だ…
それでも呪力の残り香は紛れもなく
父と母のものだった…
これまでずっと両親は私の事を応援していた…
だから私は誓った…
もっと強くなる事を…
そしてこの家の絶対的当主になる事を…
その為に私は最強で最狂になる…
だから、これは私の最初で最後の親孝行…
私の瞳は瞬く間に光を失った…
これから私は最強で最狂になる…
私はやっと決心がついた…
私は2人を呼んだ…
すると…
2人は私を迎え入れた…
そして…
それは酷く残酷な言葉…
でも…
すんなりと受け入れた…
なぜなら、2人は私を溺愛しているからだ…
五分後…
兄と姉は私を溺愛していた…
だから、私をよく思ってないやつ、
私が嫌いなやつ、裏切る可能性が
1%以上あるやつ、みんな殺してくれた…
これで私は自由だ…
家に残ったのは5人…
私と歳が近く、優れた術師…
私にとって必要最低限の人材だった…
だから
2人に感謝を伝えた…
そしてそのまま
2人はお互いにお互いをナイフで刺した…
2人は私にチャンスを与えた…
それは怨霊として生かすこと…
私の答えは一つだ…
私は死んだ2人の魂を抜き取った…
2人は私が契約した後に怨霊にすることにした…
私は平常心を保っているはずだ…
でも、どうしても兄や姉の最後が
フラッシュバックする…
悟は今日は一段と軽い足取りで高専戻るのだった…
悟と幽の関係はまだまだ続く…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。