ジリリリリリ
俺はうるさいアラームを止める。
…学校に行ったらショッピ君がいるんだよね。
行きたくないな。
いつの間にか僕の部屋に入ってきたお母さんに布団を剥がされる。
まさか…
僕ははね起きてダッシュで玄関に向かう。
ガチャ
良かった。ショッピ君じゃなかった…
急に出てきたショッピ君に腰を抜かしそうになる。
僕は大急ぎで支度を済ませた。
【登校中】
みんなでか。これはゲーム進行できるんじゃないか?
ピコン
これ、僕だけなのかな…
ショッピ君の頭の上、に数字が表記されてる。
♡584739
好感度です。攻略対象全てに表示されます。
1…10…100…50万!?
♡499999
ロボロさんの数値か?
高すぎん?マジで好感度なのこれ。
♡562745
意味分かんないんだけど…
急にゲームの新機能?
なんで僕悪役なのにこんな好かれてんの?
高すぎな好感度に悩まされているうちに、学校に着いてしまった。
♡584700
え、ショッピ君とあんま変わんない。
すご…じゃない。おかしすぎるって。
♡574893
語尾にハート見えた…好感度もそれなりだな…
♡487529
もう頭痛くなってきたんやけど…
放課後、図書館に寄ってから帰ることにした。
♡524589
エミさんも高いな…
♡581290
…みんなどれだけ僕のこと好きなん…
♡536847
うるさいのと好感度の高さに驚きつつ、僕は図書館を後にした。
どこだろう…でも、チーノさんとあまり喋ったことなかったし、良い機会かも。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。