チーノさんに連れてこられた場所は、屋上だった。
普段生徒は入れないはずなんだけど…
チーノさんが指した場所を見ると、まるで高台に来ているかのような景色が広がっていた。
屋上に来た僕は、見たことの無い景色にはしゃいでいた。
だから
ガシャン
日陰に連れてこられた僕は、今、完全なる屋上の死角で、壁ドンされている。
チーノさんの目、まるで獲物を捕らえたみたいな目。
澄み切ったオレンジ色の瞳に、思わず惹かれてしまいそうになる。
答えた瞬間、僕の腕を掴んでいたチーノさんの手の力が強くなった。
怖い…恐怖で何も答えられない…
ちゅ
自分の唇に、柔らかいナニカが当たる。
それがキスだと判断するまでに、そう時間は掛からなかった。
苦しくなり、息を吸い込んだ瞬間、
舌が口の中に入ってきた。
働かない頭で今の言葉を必死に整理する。
いきなり体を持ち上げられ、股ドンされる。
チーノ君の足に力が入ってる。
思わず変な声が出てしまう。
その時、チーノ君の足が下ろされた。
よく分からないが、見逃して貰えたようだ。
僕はダッシュで帰った。
ーチーノ視点ー
何であの時、足を離したんだろう。
襲えるチャンスだったのに。
警戒心なんか持たれたら近づけないじゃん。
まあ…自覚したくないだけで本当はわかってる。
襲うのが怖かったことなんて
頑張って1000文字行った!
すごい!よく頑張った自分!
しばらく携帯没収されてて書けませんでした。すみません。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。