第2話

第二章|帰る場所だった記憶
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2026/01/31 10:21 更新


夜、みんなが寝静まったあと。


シェアハウスは、昼間よりも静かで、


その静けさがやけに胸に沁みた。


自分の部屋に戻ろうとして、


ふと、リビングの電気が消し忘れられていることに気づく。


昔だったら、


「消しとくねー」って言いながら、


誰かと顔を合わせて、


どうでもいい会話をしていた。


――昔だったら。


リビングのソファに目をやると、


そこは今も、何も変わっていない。


形も、色も、配置も。


なのに。


そこに座っていたはずの“私”だけが、


ごっそり抜け落ちたみたいだった。
あなた
……はぁ


小さく息を吐く。


理由は分からない。


それなのに、胸の奥が苦しい。


目を閉じると、


勝手に記憶が浮かんできた。

初めてこのシェアハウスに来た日。


緊張して、


どうしていいか分からずに立ち尽くしていた私に、


誰かが笑って言った。


「そんな固くならなくていいって」


その一言で、


肩の力が抜けたのを覚えてる。


リビングで一緒にご飯を食べて、


くだらない話で盛り上がって、


気づいたら夜中になっていた。


「もうこんな時間!?」


「やば、明日早いのに」


そんな会話が、


当たり前みたいに続いていた。


私が落ち込んだときも、


元気なふりをしているときも、


誰かは必ず気づいてくれた。


――ここは、


私の居場所だった。


少なくとも、


私はそう信じて疑わなかった。


現実に戻る。


今のリビングは、


静かで、広くて、


私一人分だけ、余白がある。


同じはずの場所なのに、


こんなにも違うなんて。
あなた
…変なの
声に出してみても、


答えてくれる人はいない。


嫌われた、とは思えなかった。


だって、あからさまに冷たいわけじゃない。


怒られたわけでも、


責められたわけでもない。


ただ、


最初から私なんていなかったみたいに、


扱われているだけ。


それが、一番つらかった。


私は、この家で、


ちゃんと笑ってた。


ちゃんと、必要とされてた。


そのはずなのに。


――ねえ。


もし、私が何か間違えたなら。


せめて、


教えてほしかった。


リビングの電気を消して、


暗くなった部屋を振り返る。


そこに、


私の居場所は、もう見えなかった。


それでも、心のどこかで思ってしまう。


また、あの場所に戻れたら。


そんな願いが、


ひどく虚しくて、


それでも消えなかった。
※ここまで読んでくれてありがとうございます🥹💞
少しずつ違和感が見えてきます‼️
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