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第1話

第一章|帰る場所のはずだった
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2026/01/26 07:33 更新
※この作品は夢小説です
※ご本人様とは一切関係ありません
※キャラ崩壊の可能性あり
※切ない・シリアス表現を含みます
※暴言・過激な描写はありません
※苦手な方はご自衛ください
※誤字脱字あれば教えてもらえると助かります…!


玄関のドアを開けると、


聞き慣れた声がした。


笑い声。


足音。


キッチンから漂ってくる、少し甘い匂い。


――ああ、帰ってきたんだ。


そう思った、その瞬間だった。
「……あ」


誰かの声が、微妙なところで止まる。


リビングにいた全員の視線が、


一瞬だけ、私に集まって――


すぐに逸らされた。


気のせい。


きっと、気のせい。


靴を脱いで、いつもの場所に並べる。


それだけのことなのに、


今日はやけに時間がかかった。
あなた
ただいま


声は、ちゃんと出た。


なのに――


「……」


返事がない。


無視、ってほどじゃない。


誰かがわざと背を向けたわけでもない。


ただ、


私の存在だけが、会話の流れに含まれていなかった。
「それでさ、次どうする?」

「いや、あれはさすがに――」


みんな、普通に話してる。


昨日までと、何も変わらないはずなのに。


ソファの端に座ると、


自然と一つ分、距離が空いた。


誰かが詰めたわけでも、


避けたわけでもない。


それなのに、


そこには“私が入れない空間”があった。


テレビの音が、やけに大きく聞こえる。


笑い声が、遠い。


――あれ?


ここは、帰る場所のはずだった。


疲れたら戻ってきて、


何も言わなくても受け入れてもらえる場所。


少なくとも、


私はそう思ってた。


キッチンに立つ背中を見て、


ふと昔のことを思い出す。


一緒にご飯を作ったこと。


くだらないことで笑った夜。


「おかえり」って、当たり前に言われてた日々。


確かに、


私はこのシェアハウスの一員だった。


なのに今は、


“帰ってきただけの他人”みたいだ。


理由は分からない。


何を間違えたのかも、思い当たらない。


それでも、胸の奥がじわじわ痛む。


ここは、私の居場所だったはずなのに。


その夜、


私は初めて思ってしまった。


――本当に、ここに帰ってきてよかったのかな。
NEXT.☆10

※少し重ためですが、
最後はちゃんと救いがあります。
よければ感想・考察コメント
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