第30話

30
803
2021/05/24 14:36 更新
岩本照side

今日はあなたが来る撮影の日。
朝から少しソワソワしたけどメンバーの前では平然を装っていた。
深澤辰哉
今日あなたちゃんくる日でしょ?
岩本照
うん、そうだな。
佐久間大介
あー、めっちゃ楽しみ!
お話できるかな?
岩本照
どうだろ。
あんま困らすなよ?
佐久間大介
了解です。
朝からメンバーも騒がしい。ま、いつものことでもあるけど。

みんな揃ってCMの撮影現場に行く。
現場ですぐにあなたの姿を見つけて目があった気がした。

撮影はどんどん進みメンバーもみんな真剣に打ち込んでいる。
ただ俺はあなたの横にいる上司らしい男がずっと気になってしまっていた。
仕事場の人だし仕方ないとはいえ
歳もそう離れてなさそうな男があなたと親しそうに話してるのが気になった。

ちょっと距離近くないか?

モヤモヤは残ったまま撮影は終了しみんなで楽屋に戻る。
ラウール
あなたちゃんいたね!
向井康二
うん!俺もみた!
渡辺翔太
な、結構可愛かったよな。
向井康二
結構ってなんやねん。笑
メンバーたちがそんな話をしているのは聞こえてきているけど
俺はさっきの男が気になって仕方なかった。
今はもしかして2人きりで一緒にいるのかな?
阿部亮平
あなたちゃん連れてきちゃった。
声の方を見ると阿部に肩を掴まれて一緒に部屋に入ってくるあなたの姿があった。
あの男は一緒じゃないみたいで少し安心する。
岩本照
ねぇ、阿部近いよ!
メンバーも続々あなたに話しかけて興味津々だ。

あなたは仕事の話をしにきたみたいで
俺の隣に座らせてみんなで話を聞いた。

仕事の話をしてるあなたはいつもと違って
真面目な顔ででもどこか楽しそうに話す。
そんなあなたに見惚れていた。

話が終わるとまたメンバーがあなたと話し始めて賑やかになる。
自分の彼女が褒められるのは俺も嬉しい。

少しするとマネージャーが入ってきてその横にあなたの上司もいた。

撮影へ移動する前にあなたの耳元で声をかけた。
岩本照
今日終わったら会える?
あなたは俺の目を見て頷いてくれたから背中をぽんぽんと触った。
本当に聞きたかったのもあるけどきっとあいつに見せつけたかったんだと思う。

俺が歩き出した時後ろからあの上司の声が聞こえた。
上司
なんか言われたの?
そこから先は聞こえなかったけど
あいつの意識の中に俺が入ったならとりあえずそれでいい。


少しして振り返るとあいつに腕を掴まれているあなたの後ろ姿が見えて立ち止まった。
岩本照
え?
佐久間大介
照はやくー!
岩本照
あ、うん。
佐久間に呼ばれて仕方なく撮影場所へ行く。
少しするとあなたとあいつもそこへ来た。
怪我もなさそうだし乱暴されたわけじゃなさそうだけどやっぱり気になって仕方なかった。


撮影が始まってからは気が紛れてきてメンバーと楽しく撮影できた。

撮影が終わり控え室は戻りあなたへ電話する。

あなた
もしもし。
岩本照
あなた?この後どうする?
あなた
いったん会社戻るけど
荷物置いたらすぐ帰れる!
岩本照
そしたら迎え行くな。
あなた
ありがとう。
、、、あ、ごめんまた連絡するね。
電話が切れる前微かにさっきの男があなたを呼ぶ声が聞こえた。
一緒に来ていたから一緒に帰るのは自然なことだけど
さっきのことがあったから心配で仕方ない。

1秒でも早く会いたくて急いであなたの職場の方へ向かった。


近くに車を停めて待っているとあなたがさっきの男と一緒に会社から出てくるのが見える。
いつもなら人通りの多いところで車から降りないけど今日はわざと降りた。
岩本照
あなた!!
あなたとあの男がこちらを振り向く。
2人とも驚いた顔をしていたがあなたはすぐに男に会釈してこちらへ駆け寄ってきた。
あなた
ねぇ、降りちゃダメじゃん!
岩本照
ん、早く乗って。
助手席のドアを開けてあなたを車に乗せる。
あいつはまだこちらをじっと見ている。
ドアを閉めてお辞儀するとあっちもお辞儀して返した。

これできっと俺のってこと伝わったかな。

車に乗るとあなたは困ったような顔をしてこちらを見ている。
構わず車を走らせるとあなたは少し怒ったように話し出した。
あなた
なんで降りたの?
岩本照
んー、威嚇?
あなた
なにそれ。意味わかんない。
岩本照
いいよ。わかんなくて。
あなた
色んな人に見られるかもしれないじゃん。
岩本照
あなたは俺が彼氏って知られるの嫌なの?
あなた
そんなわけないじゃん。
照のお仕事に迷惑かけたくないから、、
岩本照
、、ごめん。わかってる。
ありがとうな。
あなたが日頃からそう思ってくれてる方もわかってたし今日の俺の行動はアイドルである自覚の低い行動だったと思う。
でもどうしてもあいつに見せつけたかった。
あなた
私が言うのもおかしいよね、、
岩本照
え?
あなた
照と付き合っておいて
お仕事に迷惑かけたくないとか
都合良すぎるのかなって。
予想外のあなたの言葉に俺は何もいえずにいるとまたゆっくり話し出した。
あなた
ごめん。
岩本照
なんで謝るの?
あなた
だって、、
岩本照
あ、待って家着いてから聞く。
今じゃ顔見られないから。ね?
あなた
うん。ありがとう。
いつもと違う静かな車にいつもと違う空気が流れたまま家へと急いだ。

部屋に着くと暗い顔しているあなたを見て失ってしまうんじゃないかって不安になる。
2人でソファーに座ったけど少し沈黙が流れた。
岩本照
さっきの話の続きする?
あなた
今日照がお仕事してるの見て
やっぱりキラキラしてて楽しそうで
メンバーのみんなもいい人で
それが全部もしかしたら私のせいで
壊れちゃうんじゃないかって思うと
怖くなってしまって、、
岩本照
うん。
あなた
でもね、照のことは大好きだし
近くで応援してたいって思っちゃうし
わがままだなって思うけど
別れるって決断もできなくて、、
目にいっぱいの涙を溜めてそう話すあなたを抱きしめると
あなたは我慢していた涙を一気に流した。
岩本照
気付かなくてごめんな。
腕の中で首を左右に振るのを感じる。
こんなに泣くなんてきっと今日のことだけじゃなくて日頃から我慢させてきてたんだと思う。
岩本照
俺もさあなたと付き合ってて
我慢させてることもあるだろうし
俺じゃない人と付き合えばもっと
外で堂々とデートしたりとか
できるのになって思う時あるよ。
岩本照
今日だって上司の人?
あの人とか付き合えばさ
こんな思いしないで済むでしょ?
岩本照
でも、やっぱ誰にも渡したくないんだ。
あなたは目と鼻を赤くして俺の方を見た。
岩本照
仕事も大事だけどあなたも大事で
俺はあなたがいるから頑張れるし
幸せって思えるからさ、、
俺だってわがままなんだよ。
岩本照
俺にはあなたが必要なんだよ。
あなた
必要?
岩本照
うん。
泣きっ面であなたが少し微笑んで
俺にぎゅっと抱きついてくる。
あなた
私も照といるのすっごい幸せ。
岩本照
うん。
あなた
だから一緒にいたい。
岩本照
うん。
あなた
変なこと言ってごめんね。
岩本照
変なことじゃないし
これからも不安になったら
言っていいんだよ。
あなた
いいの?
岩本照
うん。
あなたの不安を取り除くのは
俺の役目がいいからさ。
あなた
照?
岩本照
なに?
あなた
だいすき。
岩本照
うん。俺も。
あなたに我慢させてしまっていること
心配をかけてしまっていること
わかってはいたけどどうしようもなくて
俺にできるのはそれをできるだけ
取り除くことと俺にしかあげられない
幸せをあげることしかないんだなって
絶対に幸せにしなきゃなって改めて決意した。

あなたの頭を撫でながらしばらく抱きしめているとあなたのお腹が鳴った。
岩本照
笑。お腹減ったよね。
あなた
うん。笑
岩本照
よし!なんか食べよ!
あなた
うん!
そこからはいつも通りのあなたに戻っていて
2人で一緒にご飯食べていつもと変わらない時間を過ごした。


#筆者コメント

なんか暗くなってしまった🙏
あと長編難しい🥲短編始めようかと思ってます。スイマセン

プリ小説オーディオドラマ