初めて君と笑った日、互いに名を付け合った。
俺には名前が無かったから、愛しい君から
貰った名前、本当に嬉しかッたんだ。
________「 '' 海 '' 」、だなんて、
俺には似合っていンのかどうかも解らない、
世界で一番醜くて、宇宙で一番綺麗な名前。
思わず泣いた。感情ン周りに糸が絡まっていて
何故俺は泣いたンかは、分からンかったけど。
確かに、俺ン零した涙は塩味ではなくて。
俺ン涙を、背伸びしながら、指で優しく拭った
君も泣いていた。俺ン瞳を、「 綺麗 」だと
低くて安心する、夜ン空みたいな声で呟いて。
じっと俺を見つめていた。はじめて見るお宝を
前にした何も知らねェ゙年相応の餓鬼みてェ゙に。
瞬きや呼吸も忘れ、ただ君ン瞳に俺を映して。
でも、あまりにも見つめ続けるものだから、
「 見過ぎだ、バァ゙カ 」って、耳や頬が
紅く染まっているのも夕陽ン所為にして。
君は噴き出して、星ン輝かすみてェ゙に笑って。
一度は俺が拭ってやった涙もまた瞳に滲ませ、
此れはまた楽しそうに、無邪気に舞った。
君には 「 あなた 」という名前を付けた。
何故か、この名前が不意に頭に浮かんできた。
もう一つ名前が浮かンできたが、此方ン方が
君に似合ってンな…なンて思ったのは内緒だ。
元々名前は付いていたようだが、君は
「 お兄さんが新しく名前を付けてッ! 」と
軽く俺の袖を摘みながらお願いをしていた。
だからだろうか、俺が考えている姿をみて
微笑んで、名前を付けられたときには
これ以上無いくらいに綺麗に舞って踊った。
あまりにも嬉しそうだから、俺が君ン頭を
不器用なりに優しく撫でているときに、
新しい名前を欲した理由を呟いていた。
何でも、俺と人生を歩み直したいのだとか。
嗚呼、クソ。また夕陽に照らされて頬が熱い。
なんて言い訳も通じず、君に弄られた。
また、二人で小さな海を瞳から流して笑った。
ある日、俺が二人で逃避行しようと囁いた。
無性に逃げたかった。俺は本当ン屑だから。
君すらも身勝手な我儘に巻き込んだ。
美しく淀んだ瞳に俺だけを映して欲しかった。
甘く歪んだアイを二人で抱き締めたかった。
そんな子供じみた、気持ち悪い我儘に。
心做しか思っていた。君は俺を裏切ンないで。
一生俺ン傍で。その瞳に映して離さンで。
ずっと、俺だけのモノで居てくれよ。って。
きっと君が褒めてくれた海ン瞳は絶対零度。
でも君は、笑った。星みたいに笑った。
夜ン空を撫でるみたいに優しい声で、君は。
「 うん、一緒に逃げようか。海。 」
当たり前だと言うように、Yesと言い放った。
きっと俺等は、傍から見れば可哀想な奴だ。
其れでも、君と二人で夢見たあの欠片を
手放して、諦めたくはなかったから。
君と二人、深い愛ン中で、 '' 光 '' をみた。
______嗚呼、そンな顔すンなよ。
俺は、この選択を後悔したことはねェ゙からさ。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。