side : 百瀬 🍑
12月25日が、ずっと嫌いだった。
クリスマスでも誕生日でもなくて、
ただ、ひとりになる日。
両親が離婚して、
母と二人で暮らすようになってから、
母はお酒に溺れていった。
私の顔を見るたびに言われた言葉。
「あなたなんて、産まなきゃ良かった」
誕生日は、いつも忘れられてた。
テーブルに置かれたお金だけが祝福みたいで、
母はいない。
街は幸せそうで、
テレビからはクリスマスソングが流れて、
私はカーテンを閉めて、
「今日が終わればいい」って思ってた。
だから、12月25日が嫌いだった。
——JO1に出会うまでは。
今日も、普通の日だと思ってた
って連絡が来て、
ついてないな、って思いながら事務所に向かう。
タクシーのラジオから流れる
クリスマスソングが嫌で、
イヤホンをつけて目を閉じた。
事務所に着くと、入口に翔也と碧海。
そう言われて、二人の後ろを歩く。
いつも通りの扉を開けた瞬間——
パンッ!!
「「「ハッピーバースデー!!!」」」
一斉に響く声。
頭が追いつかないまま立ち尽くしていると、
奨くんが一歩前に出てきて、
何も言わずに、腕を広げた。
その一言で、
胸の奥に溜まってたものが一気に溢れた。
気づいたら、奨くんの胸に飛び込んでた。
肩をぽんぽん叩かれて、
涙が止まらなくなる。
翔也と純喜くんが左右から来て、
気づけばぎゅっと囲まれてた。
笑いながら泣いて、
泣きながら笑って。
そう言ったら、 奨くんが
昔の12月25日は、
誰にも見つけてもらえない日だった。
でも今は、
名前を呼ばれて、
いじられて、
抱きしめられてる。
ぽつりとこぼすと、
私は小さく笑って、頷いた。
毎年恒例で、
毎年泣いて、
毎年笑う日。
この日を、
こんなにも温かい日にしてくれた人たちと。
——私は、今日もここにいる。
百瀬 ✉️

Happy Xmas .
26になったよ
























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!