ワープポイントを潜り抜け、あなたは明るい景色に見舞われる。
あなたは目を開け、あたりを見渡す。記憶の中にいるお母さんが目の前にいて、ピッ、ピッ、と定期的に鳴っている機械があった。記憶の中にいるお母さんはあなたの方に目を向ける。どこか懐かしさを感じる、優しい瞳だった。
あなたはハッとした。口を動かして、息を出して、声帯を震わせて…声を出すことができた。
お母さんは、あなたにスマホの画面を見せながら、自分たちが築いてきたという数々の思い出を語った。
あなたの脳内に電子音がなり、ヒリヒリ、ヒリヒリと、頭が急に痛くなる…それと同時に、数々の記憶が流れてくる…さっき、お母さんに語られた思い出も含めて。でも、断片しかなく、全てを思い出そうとしても、何かに阻まれて思い出すことができない。
あなたは再び、暗闇のそこ深くに落ちてしまった…












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。