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第29話

記憶の断片
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2025/11/23 05:25 更新
ワープポイントを潜り抜け、あなたは明るい景色に見舞われる。
あなた
あ、前に夢で来た時と同じだ…
あなたは目を開け、あたりを見渡す。記憶の中にいるお母さんが目の前にいて、ピッ、ピッ、と定期的に鳴っている機械があった。記憶の中にいるお母さんはあなたの方に目を向ける。どこか懐かしさを感じる、優しい瞳だった。
お母さん
あなた!目が覚めたのね。嬉しいわ…!最近は脳の調子も安定してきているようだから、もうそろそろ元の生活に戻れるかもしれないわね…!
あなた
『お母さん…?まだ記憶が曖昧だ、お父さん、お母さん、弟はわかるけど…』
あなたはハッとした。口を動かして、息を出して、声帯を震わせて…声を出すことができた。
あなた
『あれ、話せてる…?』
お母さん
話した!?夢じゃないわよね…記憶が曖昧…そうだわ!
お母さんは、あなたにスマホの画面を見せながら、自分たちが築いてきたという数々の思い出を語った。
お母さん
これは家族で焼肉に行った時の写真よ!私とお父さんがお肉を焼いてて、あなたとミランテはひたすら食べてたわ。ミランテが『もっと〜!』ってたくさん言うもんだから、お父さん困っちゃってたのよ!
あなた
『そんなことあったんだ…確かにお肉は今も好きだな。よく昼食にステーキを食べてたっけ…あれ回復も復活もできるから便利なんだよね…』
お母さん
…え?あなた、それは原神での話…じゃない?
あなた
『そう…?ん?もともと私は放浪者たちと一緒にいて…あれ?なんかおかしい…だったら、なんで私はお母さんたちと思い出を残しているの?』
お母さん
確かにあなたは放浪者推しだったけど…寝ている間はそんな「夢」を見ているのかしら…?
あなた
『そうかも…ッ!?』
お母さん
あなた、どうしたの!?
あなたの脳内に電子音がなり、ヒリヒリ、ヒリヒリと、頭が急に痛くなる…それと同時に、数々の記憶が流れてくる…さっき、お母さんに語られた思い出も含めて。でも、断片しかなく、全てを思い出そうとしても、何かに阻まれて思い出すことができない。
あなた
『ごめん、お母さん、ここまでだっ、電子音が鳴って、頭が痛くなったら、また寝ちゃうんだ…!』
あなたは再び、暗闇のそこ深くに落ちてしまった…

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