第55話

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2020/08/13 16:57
大切な人がいなくなって初めてその人の存在がどれほど大きなものだったか、という事に気づく。


それと同時に、死ぬのが怖いと思い始める。







そんなことを前に友達から聞いた。

ほんとにその通りで、

あゆが居なくなってこんなよわよわな俺。

あゆが見たらなんって言うかな…

((壱馬くん、元気だして!))

そー言って笑うかな

((大丈夫!))

そー言って優しく撫でてくれる?

あゆのことを考える度、涙が頬を伝う

あゆの写真を見ては、もーこの世にあゆはいない。

あゆの名前を呼んでも返事はかえってこない。

一緒にテレビ見たり、お風呂入ったり、寝たり。

そんな幸せな日々はかえってこない。

仕事から帰って、「おかえりなさい!」そー言ってギュッて抱きしめてくれる温かいあゆの存在はない。

あゆが作っためっちゃ美味しいご飯ももう食べられない。

全部、無くなった。

俺には、何も残ってない。

あゆの温もりは時間とともに無くなっていく。

この悲しい記憶も、時間とともに無くなってくれればいいのに…














なぁ、



















あゆは、



















幸せだった…?

















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