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その後、何となく気まづくなってしまった私達は
仕事の話などをして気を晴らした。
『ありがとう、来てくれて。また、明日。』
大吾「うん、いつでも俺の胸は貸すよ。だから1人で泣いたりせんとってな。また明日。」
大ちゃんはいつもより悲しそうな笑顔でホテルから去っていった。
私ってつくづく最低な女だと思う。
独断で家を出て、ホテルに来たと思ったら元彼に慰めてもらったりして。
こんなだと本当に駿佑にいらないって言われるかもな。
しょげながらベットに寝転がると携帯が震えた。
駿佑
" あなたちゃん、ジムにでも行ってるの?"
駿佑
" 今日はあなたちゃんの大好きなマカロン買ってきたよ。早く帰ってきて~ "
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『ごめんなさい、駿佑…大好きっ…』
こんなにも私を想ってくれているのに、こんなにも私も彼を愛しているのに。
なんて残酷な世界なんだろう。
気づいた時には大粒の涙が頬を伝っていた。
そしてそのまま目を閉じて、LINEを返さずに眠りに落ちた。
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朝、アラームもなしにパチッと目が覚めて携帯を見ると、ありえない量の不在着信とLINEがきていた。
もちろん全て駿佑からのものだ。
ああ、彼を心配させたくないのに
だけど危害が及ぶのも嫌なんだ。
だから、仕方がないこと。
カメラマン「あなたちゃん、もっと笑って!」
『す、すみません…』
だめだ、笑えない。
どうしても頭に駿佑の寂しそうな顔が浮き出てくるのだ。
どうしよう…
焦りまくって、冷や汗をかき始めたその時、カメラの後ろでとんでもない変顔をする大ちゃんがいた。
言っちゃ酷いけど、中々原型がなくて思わず笑いが込み上げてくる。
『ふ、ふふっ、』
カメラマン「お、いいよいいよその顔!」
あ、私笑えたんだ。
…大ちゃんのおかげで。
カメラの後ろにいた彼の方を見てみると、もうどこかに行ってしまっていた。
その後の撮影は、何とかいつものペースを取り戻して挑むことが出来た。
全ての撮影が終わり楽屋に戻ると、大ちゃんが優しい笑みを浮かべて " おかえり " と言ってくれた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!