第6話

ロリ、探偵社へ預けられる事になる。
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2025/11/29 23:54 更新
あの騒動から数日が経った頃、探偵社に電話がかかってきた。
中島敦
はい、こちら武装探偵社です
丁度近くに居た敦が受話器を手に取り、電話の対応を始めた。
芥川龍之介
『人虎、貴様か』
電話主は芥川で、敦が対応した事に不満があるような口ぶりだ。
中島敦
同じく敦も芥川の対応をするのが嫌なのか、電話越しであっても、あからさまに怪訝な顔をした。
芥川龍之介
『要件を手短に云う』
芥川龍之介
『一度で覚えろ、人虎』
芥川龍之介
『二度は言わぬ』
中島敦
はぁ?
中島敦
ちょっと待てよ
一気に色々云われた敦は、何事か分からず曖昧な返事をする。
が、そんな事はお構いなしに話は進む為、慌ててメモを取り出して書き付けた。
芥川龍之介
『明日から一週間、妹を預けたい』
芥川龍之介
『良いな?』
中島敦
“良いな”って訊かれても……
中島敦
待て、それは依頼か?
“要件”とだけしか云われていない為、今更であるが訊いてみる敦。
芥川龍之介
『嗚呼、依頼だ』
中島敦
分かった、受ける
返答は“依頼”だったので、一通り要件を書き付けた敦はペンをメモの上に置き、そう返答した。
芥川龍之介
『明日の朝一番に行く』
中島敦
あと——
敦が何かを訊こうとすると、芥川の一言を最後に電話が切れた。
中島敦
……
敦は渋々受話器を元の位置に戻すと、メモを掴んで自席へと戻った。
泉鏡花
如何したの?
中島敦
いや……
中島敦
芥川が明日から一週間、妹を預けたいって……
泉鏡花
え?
急に静かになった事務所内に、敦の発した言葉が虚しい程響いた。

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