暫く経ったのち、芥川が店から出てきた。
店の中をずっと眺めていたが、芥川が戻ってきた事で、満面の笑みを浮かべてはしゃいだ。
ごめんねと言いたげな目をした後、ふにゃりと顔を歪ませて笑う姿はとても可愛らしい。
ぴょこぴょこと跳び跳ねながら喋るせいで、言葉が途切れ途切れになっている。
二人があなたの可愛さに胸打たれるなか、小柄なあなたの姿が忽然と消え失せた。
表は冷静さを取り繕うものの、内面は焦りに焦りまくっている芥川兄妹。
一先ず、進行方向に進んで行く事にした。
辺りを見渡すも、其処にいるのは名前も知らぬ他人ばかり。
きょろきょろと辺りを忙しなく見渡すが、矢張り見知った顔は見えない。
元居た店に戻ろうと顔を上げるも、何処に行けば良いかが分からず、路頭に迷ってしまう。
芥川兄妹と離れ離れになり、途轍もない恐怖感に襲われるあなた。
今にも泣き出しそうなそんな時、目の前に手が差し伸べられた。
もしかして、と思って顔を上げたが、目の前に居たのは全く持って知らない少年だった。
塞がっている左手には、沢山のお菓子の入った紙袋を抱えている。
数歩後ろに下がり、少し怯えながら問う。
人懐っこい笑みを浮かべ乍ら自己紹介をする敦。
その笑顔で警戒心も解け、ゆっくりと名前を呼んだあなた。
あなたは花が咲いたような、満面の笑みを浮かべた。
さっき迄の満開の笑顔は消え去り、悲しい表情のまま俯いてしまうあなた。
思い当たる人物でも居るのか、顔を少し顰める敦。
あなたが上げた嬉しそうな声に反応し、つられて後ろを向く敦。
言い争いが勃発しような雰囲気の中、遅れてやってきた銀が、場を正した。
さっき迄の喧嘩腰は何処やら、スッと機嫌を戻した芥川。
迷子になった事などすっかり忘れ、もう帰る気になっているあなた。
そしてよく分からない面子に囲まれ、理解の追いつかない敦。
そんな敦はすっかり蚊帳の外で、芥川兄妹は仲良く手を繋いで帰って行った。
場所は変わり探偵社。
乱歩さんのお使いから帰ってきた敦が、何やら上の空なのだ。
只今仕事サボり中の太宰が、そんな敦に突っかかる。
国木田が太宰の頭を、背後から手帳で叩いた。
首を横に大袈裟な程振り、全力で否定する敦。
手でどの位の高さかを伝えると、太宰はきょとんとした。
その言葉で探偵社内は静まりかえった。
ずっと黙って駄菓子を頬張っていた乱歩が静かに口を開き、何とも衝撃的な事を言い放った。
この後もこの話題で持ち切りだったそうな。
区切りをつけるタイミングを見失ってこのザマです。
前々話から前話を投稿する迄に、結構な期間が空いてしまってすみません! 滅茶苦茶 お気に入り とか いいね の通知が来て、もう嬉しすぎて目が可笑しくなったのかと思うレベルでした……!

そしてこの度、「芥川龍之介、ロリを拾った件。」が、デイリーランキング最高51位(コメディ)になりました!!! 前見た時は、デイリーランキング最高108位(コメディ)だったのに!!! あと、web版だと運営から通知来ないんですね。初めて知りました( こちらも同じく、嬉しすぎて最早目が可笑しくなったのかと思いました……! 投稿頻度は遅いかもですが、これからも宜しくお願いします!
no 様 スポットライトありがとうございます!!











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。