試合飛ばします。⚾⚾
スコアをまとめながら、
秋斗と巻田の会話を聞いていた。
会話というより、説教??
秋斗の言葉は、ちゃんと的を得ていた。
秋斗に同意しながら、
お見送りするために小手指の元へ歩いた。
……気がつくと、秋斗も巻田も後ろを着いてきていたが。
多分、恐らくだが、
圭は試合の途中でアホになった。
この表現が正しいのかどうか
分からないが、少なくとも“智将”では無くなった。
彼の中で、智将の時は“姉貴”。
アホの時は“姉ちゃん”と呼ぶ。
今姉ちゃんと呼ぶということは、
試合中にまた記憶を失ったということだ。
葉流火は、不思議そうな顔をした後、
ふと思い出したように鞄をあさった。
元彼との2年振りの会話だった。
葉流馬くんからのプレゼントに
心当たりはないが、
葉流火からのプレゼントではないので受け取っておく。
中が見えないようになっている袋は、
封を開けないと中身が見えなかった。
大きさ的に、DVD?
いや、まさかね。
私女子だし。
後で寮の部屋で開けることにする。
私が気がついた時には小手指は荷物をまとめていた。
私が手を振ろうとした時、
葉流火に手を掴まれた。
グランドでは絶対に見せない、
あの優しい瞳で見つめてくる。
後ろから、秋斗の声がかかった。
そしてそのまま、葉流火の太い右手から
私の手を奪い取った。
バチバチという効果音が着きそうなくらい、
すごい勢いで睨み合う両校エースたち。
改めて、私は秋斗が好きなのだと。
そう感じた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。