第12話

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2026/04/01 01:06 更新
〜珀side〜
作戦を実行させるためには、まずあなたの下の名前を屋上に呼ばないといけない。
それは僕の役割だ。
何回もやってるからかなぁ…?なんだかターゲットを殺す緊張感がなくなってきた。
おらふくん
おらふくん
あなたの下の名前!おはよ〜
(なまえ)
あなた
あ、おはよう…
最初は自分から近づいてこないから大丈夫かな?って思ったけど、この子も案外チョロかったな〜…
おらふくん
おらふくん
あの、話したいことあるから今日の放課後屋上に来てほしいんだけど…
そこまで話したところで、僕はあなたの下の名前がどこか上の空なことに気づいた。
おらふくん
おらふくん
ってあなたの下の名前、聞いてる?
(なまえ)
あなた
…あ、ごめん、聞いてなかった。
人気者の僕と話してるのに上の空なんて…
こんなこと今まで一度もなかった。
やっぱりあなたの下の名前はどこか変わっている。
おらふくん
おらふくん
もー、ちゃんと聞いてや?
おらふくん
おらふくん
今日の放課後屋上来れる?
おらふくん
おらふくん
話したいことあって…
そこで僕は思わせぶりに目をそらす。
これはぼんさんに教えてもらった技だ。
なんでかはわからんけど、こうしたらほとんどの女子は乗ってくれるらしい。
そしてあなたの下の名前も例外ではない。
(なまえ)
あなた
…うん。分かった。
ほらね。
おらふくん
おらふくん
よし!じゃあ決まりや!
おらふくん
おらふくん
あ、一応言っとくけど他の人は連れてきたらあかんで!
まぁ友達いなさそうだから連れてこないと思うけど…
(なまえ)
あなた
分かった。
あまりにも従順なあなたの下の名前を見て、なぜか僕のなかで愛おしさがこみあげてきて、思わずあなたの下の名前の頭をなでた。
(なまえ)
あなた
ごめん、髪崩れちゃうから…
流石に嫌だったんかな。
髪で目が隠れていて感情が読み取れない。
それはそれでちょっと悲しいけど…
おらふくん
おらふくん
あ、ごめんな。
なんとなく気まずくなった。
以前の僕なら、頭をなでるなんか絶対にやらないはずだ。
僕達の関係は友達なんかじゃない。
殺し屋と、ターゲットの関係。
なのに…
この気持ちはなんや?
キーンコーンカーンコーン
おらふくん
おらふくん
あ、チャイム鳴った。じゃあまた放課後な!
(なまえ)
あなた
うん…
僕は気まずさから逃げるようにその場を去った。

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