〜珀side〜
作戦を実行させるためには、まずあなたの下の名前を屋上に呼ばないといけない。
それは僕の役割だ。
何回もやってるからかなぁ…?なんだかターゲットを殺す緊張感がなくなってきた。
最初は自分から近づいてこないから大丈夫かな?って思ったけど、この子も案外チョロかったな〜…
そこまで話したところで、僕はあなたの下の名前がどこか上の空なことに気づいた。
人気者の僕と話してるのに上の空なんて…
こんなこと今まで一度もなかった。
やっぱりあなたの下の名前はどこか変わっている。
そこで僕は思わせぶりに目をそらす。
これはぼんさんに教えてもらった技だ。
なんでかはわからんけど、こうしたらほとんどの女子は乗ってくれるらしい。
そしてあなたの下の名前も例外ではない。
ほらね。
まぁ友達いなさそうだから連れてこないと思うけど…
あまりにも従順なあなたの下の名前を見て、なぜか僕のなかで愛おしさがこみあげてきて、思わずあなたの下の名前の頭をなでた。
流石に嫌だったんかな。
髪で目が隠れていて感情が読み取れない。
それはそれでちょっと悲しいけど…
なんとなく気まずくなった。
以前の僕なら、頭をなでるなんか絶対にやらないはずだ。
僕達の関係は友達なんかじゃない。
殺し屋と、ターゲットの関係。
なのに…
この気持ちはなんや?
キーンコーンカーンコーン
僕は気まずさから逃げるようにその場を去った。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。