第35話

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2023/11/28 14:34


轟 side




          「…ごめんね。」



_@_
ここから先は、通させない。
轟焦凍
っ……泡、沫



俺達の前に音も無く立ちはだかったのは、約1ヶ月前から失踪していた級友だった。


マンダレイの"テレパス"によって、泡沫あなたはもうヴィランだということは全員に知らされている。


____それでも、俺には彼女が失踪前と何ら変わっていないように見えてしまっていた。


不器用ながらも優しく接してくれた、皆が知ってるであろう‪”‬‪泡沫あなた”‬に。


麗日お茶子
……あなたちゃん、、、なんで
っ何で、ヴィランになったの。
麗日お茶子
…ウチ、あなたちゃんと仲良くなれて嬉しかったんよ。
麗日お茶子
あなたちゃんは思ってないかも知れんけど、でも……''友達''やろ?
やから…もっと、頼って欲しかった。

彼女の長い髪が、夏の生暖かい風に吹かれて靡く。

オッドアイに変色した朧気な瞳がゆらりと揺れたかと思えば、色白な頬に一筋の雫が伝った。










_@_
…みんなに私の何が分かるの







 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



ぽたり、ぽたり、


涙が止めどなく溢れる。

大好きだった皆の姿を歪ませてしまうほどに



_@_
私の辛さは、苦しさは、誰にも分かってもらえない。
_@_
「もっと頼って欲しかった」?
…私の全部を知ったかのように言わないでよ。
麗日お茶子
ッでも!!あなたちゃんは___(((


ブワアアアァァァァッ…!!!








全員
っ!!?



泡は、一瞬にして私の視界を埋め尽くした。



水色、黄緑色、緋色、紫色…


幻想的な色によって彩られた美しい泡沫に、思わず目を見張る。


思うように息が出来ない。

痛い。辛い。苦しい。淋しい。


_______それでも それらを遥かに上回った、救いを期待 ・ ・してしまうことへの『憂虞』の感情









_@_
全部 知ったら、みんな私から離れて行くんでしょ


緑谷出久
っ何を、、言って…!!!
_@_
…もう。分かってるんだよ


〝自分のせいで人を殺した。〟



私が何人の命を救おうが、どれだけ贖罪をしようが、その事実は変わらない。


それを誰かに打ち明けたところで、到底受け入れてもらえない。

裏切られたように感じて、自分が傷つくだけ。

_@_
私は、私を認めてくれる人と生きる。
_@_
真の英雄ヒーローなんて、所詮 理想を描いただけの虚像だ


忘れられない思い出に終止符を。


終わらない後悔には、それすらも塗り潰す鮮烈な快感を。



堕ちて、堕ちて、堕ちて。

堕ち続けたその先に在るモノが、絶望だとしても。


連合のみんなが居れば、私はそれでいいから。
Mr.コンプレス
《レテ!こっちはもう撤収の準備ができてるぜ。ガキ共だけ上手く撒いて、ちゃちゃっと回収地点に来てくれ!》
_@_
《…あぁ、うん。分かった》


_@_
……‪”‬‪お茶子ちゃん”‬
麗日お茶子
、ッ?
_@_
…私のことは、もういいよ


みんなも。

私のことなんか綺麗さっぱり忘れて、いつもと変わらぬ日々を送って欲しい。






_@_
、、っ今まで ありがとう…(笑)




ポケットに忍ばせていた煙幕を投げ捨てる。

ぶわりと白煙が拡がったと同時に、私は森の細道へ逃げ出した。






















次はこちら!

前回からかなり間が空いてごめんなさい💦

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