第2話

000-C02
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2024/12/27 08:48 更新
(なまえ)
あなた
...
目を開けば、多分病院の真っ白な天井が映る。
わざわざ目の前で倒れた私を放って行かずに病院まで運んでくれたのかと考えると、今のHAMAにもそんな親切な人がいるんだと感動した。

というか、「始発の電車で倒れても」が抜けていたかもしれない。いつもだったら財布を抜かれたりするのが普通だったんだけどなぁ...。
起きましたか、あなたの名字あなたさん
(なまえ)
あなた
はひっ!?
驚いて返事をしたものの、噛んでしまった舌を抑えて悶絶する。舌を噛んだらものすごく痛いのだ。...あ、でも眠気覚ましにはちょうどいいからオススメしとく。是非やったらいいと思う。

現実逃避もそこそこに声をかけてきた人を見ると、その人は私を助けてくれた人だった。パリッとした服を着ているから、なんだか自分が恥ずかしくなってきた。

仕事でボサボサの頭に、数日におきにしかお風呂に入れてないから臭ってないかなとか。

まあ仮にも女ですから、そういうことは気にするのです。
目覚めたばかりで大変恐縮なのですが、お話をさせていただいてもよろしいですか?
物凄く丁寧な言葉遣いでお伺い?を立ててくるこの人...なんだろう、とってもいい。かっこいい感じとは少し違うけどよき。

...なんて、真面目な話させてくださいって言われているのならきちんとしないとダメだろう。
(なまえ)
あなた
はい、大丈夫です
思考をおふざけから真面目なものに直していく。
少し、残業続きの深夜テンションみたいなものでおかしくなっているのかもしれない。
雁金作次郎
ありがとうございます、私雁金作次郎と申します
雁金作次郎
本日はあなたの名字さんをHAMAツアーズに勧誘することが目的でございます
(なまえ)
あなた
...?
私は首を捻るしか無かった。
HAMAツアーズなるものに私を勧誘?それをする意味が理解できなかったから。

特に取り柄もない私を誘うよりは、そこら辺でキラキラ人生を謳歌している人を誘った方がいいのではないかと提案してしまいたい衝動に駆られる。
(なまえ)
あなた
失礼ですが、何故私を勧誘されるのでしょうか?
(なまえ)
あなた
勧誘されるような理由が見当たらないのですが...
申し訳ないように見えるように言うと、雁金さんは封筒を差し出してくる。本当に用意がいいことで...。

手渡された封筒を開けて中を見ると、中には文字がびっしり書かれた紙が入っていた。本当になんなのだ、とその封筒を開けてそこにある事実に驚いた。
(なまえ)
あなた
どういうことですか
プリントを投げつけて雁金さんに問う。
雁金作次郎
そこに書かれていることが全てです
(なまえ)
あなた
...返答はそれだけですか?
雁金作次郎
ええ
にこにこと笑う雁金さんの笑顔が途端に不気味に思えてきた。腹の底が全く見えない不気味な顔、まだブラックな上司の方が可愛げがあるものだ。

私が投げつけたプリントには「あなたの名字あなた調査書」と書かれた私の調査書。そこには今なら絶対分からないはずの私の過去が書かれていた。
雁金作次郎
あなたの名字さん、いや「sorbet」さん
雁金作次郎
改めましてHAMAツアーズに来ていただけませんか
あぁ、こんなもの絶対に断ることが出来ないじゃないか。
断ってしまえば以前の生活に戻ってしまう、それだけは避けたかった私にとって最早脅しだった。

考える余地は無い。
差し出された手を見て、私は答えた。

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