古い倉庫の戸を開けると真ん中にポツンと置いてあった背もたれのない椅子に力なくぐったりと目を伏せ口から大量の吐血をして座っていた。
いち早くそれを見つけた律と翠は急ぎ2人に連絡して、それぞれの目に涙を潤ませ那由多の丹念に鍛えられた体を必死に揺さぶっていた。
律がいう通り、那由多は既に事切れていた。
四人はその傍で咽び泣いた。どのくらい時間が経っただろうか。不意に律が口を開いた。
翠の剣幕はどんどん弱まっていき、最後は掠れた声で乞う様に訴えた。
静かに涙ぐみながら話を遮った。
やめよう、と言ったもののやはり、朝に見つけた折り紙のせいでこの中の誰かを疑うのをやめることができなかった。
重い空気のまま倉庫を出た。すると、タイムカプセルを隠した辺りの茂みからガサガサっと音が鳴った。

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。