第39話

36 制限時間 オブスキュアリに向けて
110
2026/01/22 07:20 更新
ーD A総合医療センターー
次の方〜…
あら、鳳さん、こんにちは
鳳恭弥
鳳恭弥
こんにちは
鳳恭弥
鳳恭弥
今日は面会可能ですか?
えっと…チラッ大丈夫ですよ。
昨日まで面会不可だったんですが…
ちょうど落ち着いたみたいですね
鳳恭弥
鳳恭弥
分かりました。ありがとうございますニコッ
しかし、今日は容体が不安定なので
1時間したらご退出ください
鳳恭弥
鳳恭弥
分かりました
ー個別病室ー
ガラガラ
鳳星羅
鳳星羅
鳳恭弥
鳳恭弥
顔色が悪いな…星羅、俺たちは今
死に物狂いでその呪いを
解く為の情報を集めているよ
鳳恭弥
鳳恭弥
…だからお願いだよ
鳳恭弥
鳳恭弥
どうか死なないで…
鳳星羅
鳳星羅
ヒラッ
病室に響く恭弥の声に反して少女に変化はなく、
傍らにある一枚の赤い花弁だけが散っていった。
ーリムヴィス寮ー
琉星side
ライカの件も無事終わったし、
今は検査入院中だとルラが言っていた。

特別寮生として公表されるのもそう遅くはないだろう
それはそうと、恭弥が帰ってくるまでに
今日の執務を終わらせないといけない。

ここ最近は特待生の任務を付き添いや
他の任務の多忙さを理由に
サボっていた分が溜まっている。

サボってもいいがその後どうなるかは
身をもって知っている
…やるしかない。
そう思った瞬間
ガチャ
鳳恭弥
鳳恭弥
ただいま…琉星…💢
机に山積みになっている資料を見るなり
キレ始める恭弥。

…思っていたより帰りが早かったな
皇琉星
皇琉星
おかえり、恭弥。
今日はまた随分と帰りが早いね
鳳恭弥
鳳恭弥
俺にそうやって取り繕っても無駄だ
鳳恭弥
鳳恭弥
それよりどうして仕事が
終わってないか説明してもら___
絵画速報
速報です。学園は先ほど特別選抜寮生
として新たにライカ・コルトの転入を
正式に認可し、オブスキュアリへの
配属を決定しました
絵画速報
ーー繰り返し、速報をお送りします。
学園は先ほど特別選抜寮生として、新たにライカ・コルトの転入を正式に認可し、
オブスキュアリへの配属を決定しました
皇琉星
皇琉星
ん、よかったよかった〜
鳳恭弥
鳳恭弥
💢
鳳恭弥
鳳恭弥
どういうことか説明してもらおうか?
ギチギチギチ
皇琉星
皇琉星
痛い痛いっ!
皇琉星
皇琉星
俺、今からオブスキュアリ行くから!
皇琉星
皇琉星
【ウラノス】
シュンッ
鳳恭弥
鳳恭弥
逃げやがった…ん?
皇琉星
皇琉星
「これ、『件』の追加資料」
↑机に置いてある資料のメモ
鳳恭弥
鳳恭弥
あぁ、もう本当にこういうところ
なんだよな…ありがとな。琉星
鳳恭弥
鳳恭弥
…?何でオブスキュアリ?
特待生side
ライカくんが無事、オブスキュアリへの
配属が決まり、モービー先生から
オブスキュアリ寮についての説明を受けていた
モービー
モービー
___ 実際、オブスキュアリ設立時には、
機関も理事長も、それはそれは多大なる
期待をしていたようなのですが.....
モービー
モービー
肝心の寮長が、あの様子ではねぇ.....
特待生
特待生
そういえば、オブスキュアリの寮長って
まだお会いしたことがないような......
モービー
モービー
....エドワード・ハート。
かつて世界最強と謳われた、吸血鬼です
特待生
特待生
吸血鬼!?
ライカ・コルト
ライカ・コルト
世界最強!?
モービー
モービー
はい。しかし、ちょっと
ややこしい事情がありましてねぇ
モービー
モービー
最近は学業や任務を始めとした
学園生活を引退して、
ほぼ隠居状態と言いますか…
ライカ・コルト
ライカ・コルト
「いんきょじょーたい」? なんだそれ
特待生
特待生
えっと...社会での生活から離れて、
好きなことをして暮らすっていう意味です
ライカ・コルト
ライカ・コルト
ふーん
モービー
モービー
おかげで、オブスキュアリの顧問である
私の評価は、駄々下がりですよ.....
モービー
モービー
そういえば聞きましたよ?
君、今年度のガーラの開催を、
理事長に直談判したんですって?
特待生
特待生
え!?あ、私というか、交渉を
持ちかけたのは針条くんですけど.....
モービー
モービー
なるほどなるほど。私、
良いことを思いつきましたよ!ヒヒヒ
特待生
特待生
ええ....?な、なんでしょう.....
モービー
モービー
今回の監査中、もし君がコルトくんを任務で活躍させ社会性と有用性を証明しつつ
モービー
モービー
オブスキュアリの寮長をやる気にさせ、
職務に戻らせることができたなら....!
モービー
モービー
この私からも、理事長にガーラの開催を
推薦して差し上げましょう!
どん、と胸を叩き、モービー先生は力強く言い放った。
ライカ・コルト
ライカ・コルト
おい。『がーら』ってなに
特待生
特待生
あ、ガーラっていうのはーー
モービー
モービー
機関が管理する学外施設での研修を
終えた4年生が、8月になると卒業準備の
ため、学園へ戻ってくるんですよ
モービー
モービー
その8月の終わりに、
「ダークウィック・ガーラ」という、
4年生の門出を祝う式典が開催されます
モービー
モービー
それが、我々がガーラと呼んでいる
一大イベントなのです!
特待生
特待生
ご、ご説明ありがとうございます......
ライカ・コルト
ライカ・コルト
なんだそれ...すんげー学園生活っぽい!!
特待生
特待生
ただ、今年度のガーラは、
まだ開催できるかわからないんですよね....
ライカ・コルト
ライカ・コルト
は?なんでだよ!
モービー
モービー
理事長は、グールたちの素行の悪さを
懸念していましてねぇ
モービー
モービー
「栄冠賞」を奪い合う.....即ち、
君たちが競争を行うことが、新たな火種に
ならないかとご不安なのですよ
モービー
モービー
しかし、側近である私が推薦すれば、
前向きに検討してくださること請け合い!
モービー
モービー
君は監査役としての職務を全うでき、
オブスキュアリのグールたちは栄冠賞に
一歩近づく。そして私の評価も...ヒヒ
特待生
特待生
(うーん...でもモービー先生って、かなり理事長の尻に敷かれてたような......)
ライカ・コルト
ライカ・コルト
俺、任務頑張る。ちゃんと出来るって
みんなに認めさせる
ライカ・コルト
ライカ・コルト
だからそのガーラって奴も、
絶対やってってあのちっこい先生に言って
特待生
特待生
ライカくん......
ライカ・コルト
ライカ・コルト
長だって、最強の吸血鬼なんだろ?
そんなすごいやつなら
絶対助けてくれるって!
特待生
特待生
(確かに、そんなにすごい人が
力になってくれたらどれだけ心強いか...)
これまでの経験上、ライカくんの言葉を
素直に肯定できず、私はつい眉をしかめた。
モービー
モービー
それに、特待生もそろそろこの学園に
慣れたことでしょうしねぇ
モービー
モービー
しばらくの間、
コルトくんの監視....げふん!
モービー
モービー
み、身の回りの世話役も必要ですから、
一石五鳥といったところでしょう?
特待生
特待生
そんな...ライカくんのお世話役なら、仲の良い加賀見さんの方が適任なんじゃ...?
モービー
モービー
う~ん…
そうだと良かったんですけどねぇ...
私の問いかけに、モービー先生は
少し困ったように苦笑いすると、
内ポケットから一台のスマホを取り出す。
モービー
モービー
これがコルトくんのスマホです。
残りの支給品は寮舎へ
直接送りましたので、
早めに受け取りをお願いしますよ~
モービー
モービー
それと特待生さん、皇くんを見かけたら
教師の誰かに知らせてくださいね
特待生
特待生
琉星さん、ですか?
モービー
モービー
はい、彼の放浪癖は今に始まったことじゃありませんが居ないと困ることも多いので
特待生
特待生
わ、分かりました…
(琉星さん、大丈夫なのかな…)
そんな風に話しているとライカくんは
スマホに向かって目を輝かせていた
ライカ・コルト
ライカ・コルト
これ.....スバくんも持ってたやつ.....!
俺が貰っていいのか!?
モービー
モービー
ええええ、もちろんです。
正確に言えば、それは貸出品と
なりますので、取り扱いには
十分ご注意くださいねぇ
モービー
モービー
詳しい使い方は特待生に聞いてください。
後は任せましたよ!ヒヒヒ
ライカ・コルト
ライカ・コルト
おい!あれ、どうやってやんだ?
離れてても喋れるやつ!!
特待生
特待生
え、えーっとですね......
ライカくんの期待に満ちた表情にせっつかれ、
慌ててスマホの操作を説明していると、
いつの間にかモービー先生の姿は消えていた。

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