ーD A総合医療センターー
ー個別病室ー
ガラガラ
ヒラッ
病室に響く恭弥の声に反して少女に変化はなく、
傍らにある一枚の赤い花弁だけが散っていった。

ーリムヴィス寮ー
琉星side
ライカの件も無事終わったし、
今は検査入院中だとルラが言っていた。
特別寮生として公表されるのもそう遅くはないだろう
それはそうと、恭弥が帰ってくるまでに
今日の執務を終わらせないといけない。
ここ最近は特待生の任務を付き添いや
他の任務の多忙さを理由に
サボっていた分が溜まっている。
サボってもいいがその後どうなるかは
身をもって知っている
…やるしかない。
そう思った瞬間
ガチャ
机に山積みになっている資料を見るなり
キレ始める恭弥。
…思っていたより帰りが早かったな
ギチギチギチ
シュンッ
特待生side
ライカくんが無事、オブスキュアリへの
配属が決まり、モービー先生から
オブスキュアリ寮についての説明を受けていた
どん、と胸を叩き、モービー先生は力強く言い放った。
これまでの経験上、ライカくんの言葉を
素直に肯定できず、私はつい眉をしかめた。
私の問いかけに、モービー先生は
少し困ったように苦笑いすると、
内ポケットから一台のスマホを取り出す。
そんな風に話しているとライカくんは
スマホに向かって目を輝かせていた
ライカくんの期待に満ちた表情にせっつかれ、
慌ててスマホの操作を説明していると、
いつの間にかモービー先生の姿は消えていた。



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。