琉星side
ーオブスキュアリ寮ー
シュンッ
恭弥から逃げた俺は要件のある
オブスキュアリに転移した
焦ってしまったせいか思ったより座標がズレ、
寮内ではなく外の庭園に立っていた
ガチャ
エドの部屋まで行ったはいいものの部屋は
もぬけのからだった。
おかしいな…いつもなら必ずいるはずだけど
フワッ
本当、嫌なことを言うなぁ
そう、これは恭弥の為で…
エドの図星な発言に思わず顔を顰める
例え、その結果として首輪を
嵌められることになったとしても
思ったよりすんなり目的が達成できそうで
安心したからか倒れかけてしまった
ガシッ
パキッ
普段、薬を飲んでも副作用はないはずなのに
睡魔に襲われ、意識が遠くなっていく。
もう既に体は言うことを聞かなくなっていた
皮肉な程に笑顔なエドの顔を最後に
俺の意識は深くに沈んでいった
特待生side
気づいたらモービー先生はいなくなっていたので
ライカくんとオブスキュアリに行き、累さんに遭遇した
累さんに事情を説明するとなんだか苦笑いされたけど…
これからオブスキュアリの寮長に合わせてくれるらしい
累さんはノックもせずに扉を開けると、
寮長室の中へと入っていく。
ライカくんをなだめる言葉を探していると、
部屋の中から、累さんの悲痛な声が聞こえてきた。
先に部屋へと入っていったライカくんの
背後から、そっと中を覗き込む。そこにはーー
妖しげな色気を漂わせた男が、
柔らかな微笑みを浮かべながら
豪奢な装飾の椅子に鎮座していた。
寮長は残念そうに眉を下げると、
自分の腰と背もたれの隙間から
汚れた服のようなものを引っ張り出す。
唐突に挨拶を済ませたライカくんの横に並び、
私も慌てて、姿勢を正した。
寮長はあからさまにうんざりしながら、
ゆっくりと椅子から立ち上がる。
ベッドへ向かおうとする寮長の腕を、
累さんが掴んだ瞬間一ー
寮長の腕がもげ、辺り一面に血が噴き出した。


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。