タン,タン,タン…
足取りが重い。
教室に行きたくない
でも学校は行かないと行けない…。
けど、”アイツら”に会うのは…ッ…
息が荒い。
呼吸の仕方を忘れたみたい
”アイツら”は…
アイタクナイ…
もう、教室の前…
息が苦しい
怖い
けど行かなくちゃ…
行かないと……
ガララララッ
意を決してボクは教室のドアを開けた。
そして最初に目に入った光景は___
[死ね][消えろ][異常者][学校来んな][息すんな][自殺しろよwww]
黒板に書いてある、ボクへの無数の悪口。
ボクはその場で固まっていた。
そこに
絞り出すような声でソイツの名前を呼んだ
ボクが学校に来たくない理由、それは
クラス内でのボクに対するイジメだ。
親がプロヒーローの癖に、ボクは異常者。血が好きなんだ。
そのせいで、ボクは化け物扱いをされて、イジメを受けている。
その主犯格が、コイツ。
___城戸アイラ
一番最初にボクに声を掛けて、噂を流して、ボクを孤立させて、イジメ始めた張本人、だ
そう思いながら席へ向かうと、そこには
菊の花と、プレゼントと言う名のボクへの悪口の手紙。
教科書はボロボロになっていた
クスクスと笑うクラスメートの声。
写真を撮るクラスメート。
見ているのに見て見ぬふりをして去っていくクラスメート。
今日もボクのココロはダメージを受け続けている。
…………クソがッ。
小さく呟き、ボクは静かに怒り、震えていた。
これが絶望の日々だ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!