「グループは、要らない。
一人一人の個性が強いから。」
ジャニーさんは、関西を見捨てるように、言った。
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関西ジャニーズJrの焼け野原を抑えようと、残された僕らは、ジャニーさんに説得することにした。
だが、しかし、ジャニーさんの視野には、関西Jrが無いようだ。
その後、4人で、関西Jrを引っ張っていくが、人気の二人が上京したため、関西ジャニーズJrに光は、見えなかった。
子役の活動だけでも、無理だった。
そんな時、僕が8才の時を思い出す。
入所して、一年で、注目を集めるために、子役だけでなく、あることをしていた。
それは、ダンスだった。
僕は舞うことを望んでいた。
だから、僕は8才で、ジャニーズ初の世界チャンピオンになり、そうして、人気を集めていたのだ。
ふと、流星の嘆きが聞こえてくる。
そうだ、僕だけではないんだ。
みんな、不安に押し殺されている。
だからこそ、僕は思った。
正直、僕でも、こんなことを言われても、困っていただろう。
でも、流星は、
流星は、まるで光を見たかのように、言った。
流星は、決して、弱音を吐いたり、否定したりはしない。
そんなところに、僕は、流星が輝いて見えた。
ファンやジャニーさんに、何を言われようが、知らない。
僕らは、僕ら自身で道を切り開いていく。
そうして、光が見えてくるんだ。
こうして、流星とのダンス練習は始まった。
流星は、西日本のダンス大会で世界一をとったことがあり、その実力は高く、約一週間で、準備が整った。
後は、細かい動きを合わせたりする。
一人ではなく、今回は仲間がいるから、難しいというよりかは、心強かった。
そして、ダンス世界大会の一日前、事務所の練習室で最終確認をしていた。
ダンスだけではなく、こうやって、流星と笑い合うのも、楽しかったりする。
流星といると、前向きで、安心感ができる。
でも、そんな、笑顔の流星がなぜか、偶に曇った顔をする。
結局、その謎は解けないまま、ダンス大会へ挑んだ。
ダンス世界大会で得られたものは、人気だけではなく、僕ら関西Jrに大きな期待を届けられたんだ。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。