話をいただいた後、ジャニーさんの言葉が会議の締めであったかのように、会議は、終わった。
なにわ男子が結成して、初めての雑誌撮影だ。
グループも、賑やかで、気が合うメンバーだった。
そして、撮影。
雑誌の撮影も終わり、忙しい一日は終わった。
そんな、仲間との忙しい日々が、これから続くと思うだけで、幸せだった。
なにわ男子が結成して、僕は高校に入学した。
メンバーの大西流星、道枝駿佑、長尾謙杜と歳が近いため、4人で「難波高校」に入学した。
結成後のまいジャニは、なにわ男子と向井康二が動かすことになった。
ある日、収録が終わって、仕事も終わり、家に帰る時だった。
エレベーターが中々来ないため、非常階段を使うことにした。
その時、階段下の陰で泣き声が聞こえた。
康二は、きっと、結成メンバーに選ばれなくて泣いている。
康二は泣き虫で、悔しくて、怒りたい気持ちか必ずあるはずなのに、
つくり笑顔で相手の心配をする。
思わず、僕は康二を抱きしめた。
その瞬間、康二の瞳に、ためていた涙が一気に溢れ出した。
関西は、関西は、
関西Jrは、残酷だ。
もちろん、こんな言葉をかけても、未来の明るさはわからない。
でも、仲間が助け合えるから、僕らは笑って、輝いていて生きている。
だから、もう少し、今も未来へと手を伸ばしている。
仲間を信じて。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!