第4話

3話
105
2026/04/01 12:38 更新
いつも笑顔を浮かべている彼がずっとそわそわしている。

その理由は​───────
甲斐田
刀也ぁ…………
剣持
甲斐田くん
剣持
ひとまずその手でほっぺ触るの辞めてくれる?
甲斐田
俺めっちゃ緊張してるけどさぁ…………
剣持
甲斐田くん?
甲斐田
本当にここまでやれて良かったよ‪‪‪︎︎゙ぉ…………
加賀美
甲斐田、剣持さんめっちゃ嫌がってるからおやめなさい
甲斐田
しゃちょお、俺本当に………
加賀美
甲斐田???貴方酔っ払ってるのか??
不破
にゃは、刀也くんも大変っすね
剣持
本当にね、東京ドームに立つ前日にエナドリ飲もうとしてる人まで居るんだから
不破
俺のことすか?
剣持
もちろん
そう、こんなに協調性が無い彼らだが明日東京ドームに立つのだ。

協調性はないが、パフォーマンスなどは本当に凄いのでそこら辺の心配はしていない。

が、酔っ払いになっていたりエナドリを飲んだりするのはやめて欲しい。
加賀美
ほら、もう少しで明日のための最後の練習の時間ですから早く準備してください
不破
社長、刀也くんにエナドリ止められたんすけど気合い入れるために飲んでいいすか?
加賀美
ダメに決まってるでしょ貴方
甲斐田
社長!僕のスマホどこにあるか知りません!?
加賀美
貴方の左手に持っているのは?
甲斐田
スマホです!あ
本当に大丈夫なのだろうか、この人達は


















そして迎えた東京ドーム当日。
昨日の姿が嘘みたいに落ち着いてる。
落ち着いてるというか……………動かな過ぎて逆に怖い。
加賀美
あ、剣持さん
剣持
どうしかしました?
加賀美
今日のライブのことなんですが
剣持
はい
加賀美
Dがタクシーで迎えに来てくれるので、そのタクシーに乗って関係者席に座って私達のライブを見てください
加賀美
DはあのいつものDです
剣持
分かりました
不破
え、刀也くん俺らと一緒に行くんじゃないんすか
甲斐田
あ、甲斐田もそれ思いました
甲斐田
本番直前まで刀也くんのほっぺ触ってたいです
加賀美
流石に出演者と一緒に行くのはダメでしょう
ピーンポーン
不破
………………Dか?
加賀美
それにしては早くないですか?
甲斐田
甲斐田、ちょっと出てきますね
なんでだろう。嫌な予感がする。
ピーンポーン
甲斐田
はーい、今行きまーす
剣持
剣持
甲斐田くん、だめ
剣持
お願い、行っちゃ
加賀美
…………………?
加賀美
剣持さn
モブ野郎
ハハ……………ハハハハハハハハハハ!!!!
加賀美
はッ
剣持
ヒュッ
加賀美
ちょっ、不破さ
不破
……………ッ甲斐田………ッ!!?
加賀美
剣持さん
いやだ。
加賀美
大丈夫です、私達は死にません
いやだ。
加賀美
ですから​──────
剣持
ゃだ………
加賀美
ごめんなさい
加賀美
その拒否は聞けません
加賀美
……………今から私の部屋に行きます
加賀美
それからスマホを渡すのでDにまず連絡してそれから既読が付かなかったら警察を呼べますか?
剣持
やだ…………
加賀美
ごめんなさい
社長はそう一言言って、僕を持ち上げ、部屋に入ったあとすぐに僕をクローゼットの中に閉じ込めた。
剣持
やだ…………社長………
剣持
やだ……………
そう言っても、もう社長は戻ってこない。
だから、泣きながら、でもその泣き声を押し殺して、そして震える手でDに連絡を入れた。
幸いにもすぐ既読が着いた。

怖い。

度々聞こえる叫び声、それはいつも彼らの動画で聞く叫び声とは違う。
怖い。早く、来て。
いつもの笑い声を。

いつもの笑顔を。

聞かせて。見せて。
お願いだから。







あれから数分経って、何も聞こえなくなった。
これから見る光景はきっと怖い。けれど、あの人たちがいなくなることはもっとこわい。
行くしか、ない。




そうやって覚悟を決めた後見た光景は地獄だった。

そう、あの時見た夢と同じ。

唯一違う点と言えば社長も倒れていることだろうか。
剣持
〜ッ
剣持
皆……………ッ?
心臓どくどくとうるさい。

耳を、澄ませろ。

まだ、まだ。大丈夫だから。
不破
……………………ぁッ……?
剣持
ふわっち……………?
不破
もち、ッ、さッ
不破
けが、なッ、い、す、か?
倒れていたふわっちが少し意識を取り戻してくれた。

ふわっちは、苦しそうだけど、僕の為に笑ってくれていた。
剣持
ない………ないよ……
あんたらが守ってくれたから。
剣持
やだよ…………ねぇ…
不破
だいじょ、ぶ、よ
甲斐田
そ、で、すよ
どこが大丈夫なんだよ。ばか。
剣持
甲斐田くん………!
剣持
お願い………ねぇ………
僕はなんて無力なのだろう。
加賀美
ね……ぇ、け…もち………さ
剣持
しゃちょ……………
加賀美
わた……く…した………ち
剣持
喋らなくていいから……!!!
いやだ、もっとこの声を聞いていたい。
加賀美
かっ………こ……い……い…おと…な……にな……れ………て……まし…………た……………?
剣持
ぇ…………
甲斐田
しゃ…ちょ………も……ち………さん…な…か……せてる……から…………あう………と……すよ…
加賀美
はは………まじ………………か……
不破
けど…………まも…れ…………た…から……なれ……て……た………すよ…………
不破
ね………、………もち……さ………ん………
剣持
…………………………ッ
剣持
今この瞬間が1番かっこいい大人になれてるんじゃない…………ッ?
甲斐田
………………よか……ッ……た……す……ね
不破
…………………な……………………
加賀美
けん…もち………さ……ん
剣持
…………………なに?
社長は僕の頭を撫でながらそう言った。

その手にはもう力はあまり入っていない。
加賀美
あい……して………ま………す………
剣持
………………やだッ!!!!
剣持
死ぬなよ!!!!
剣持
やだッ!、!やだ!やだ!!!!!





















本当に不幸中の幸いだったのは、まだ彼らは生きているということ。
けれど、あの出来事から10年が経った今でも彼らは目を覚まさない。
拝啓みんなへ、僕は道を踏み間違えました。

けれど、僕はまだ許せない。

だから、僕がこれからする行動を

















ゆるしてね。

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