いつも笑顔を浮かべている彼がずっとそわそわしている。
その理由は───────
そう、こんなに協調性が無い彼らだが明日東京ドームに立つのだ。
協調性はないが、パフォーマンスなどは本当に凄いのでそこら辺の心配はしていない。
が、酔っ払いになっていたりエナドリを飲んだりするのはやめて欲しい。
本当に大丈夫なのだろうか、この人達は
そして迎えた東京ドーム当日。
昨日の姿が嘘みたいに落ち着いてる。
落ち着いてるというか……………動かな過ぎて逆に怖い。
ピーンポーン
なんでだろう。嫌な予感がする。
ピーンポーン
いやだ。
いやだ。
社長はそう一言言って、僕を持ち上げ、部屋に入ったあとすぐに僕をクローゼットの中に閉じ込めた。
そう言っても、もう社長は戻ってこない。
だから、泣きながら、でもその泣き声を押し殺して、そして震える手でDに連絡を入れた。
幸いにもすぐ既読が着いた。
怖い。
度々聞こえる叫び声、それはいつも彼らの動画で聞く叫び声とは違う。
怖い。早く、来て。
いつもの笑い声を。
いつもの笑顔を。
聞かせて。見せて。
お願いだから。
あれから数分経って、何も聞こえなくなった。
これから見る光景はきっと怖い。けれど、あの人たちがいなくなることはもっとこわい。
行くしか、ない。
そうやって覚悟を決めた後見た光景は地獄だった。
そう、あの時見た夢と同じ。
唯一違う点と言えば社長も倒れていることだろうか。
心臓どくどくとうるさい。
耳を、澄ませろ。
まだ、まだ。大丈夫だから。
倒れていたふわっちが少し意識を取り戻してくれた。
ふわっちは、苦しそうだけど、僕の為に笑ってくれていた。
あんたらが守ってくれたから。
どこが大丈夫なんだよ。ばか。
僕はなんて無力なのだろう。
いやだ、もっとこの声を聞いていたい。
社長は僕の頭を撫でながらそう言った。
その手にはもう力はあまり入っていない。
本当に不幸中の幸いだったのは、まだ彼らは生きているということ。
けれど、あの出来事から10年が経った今でも彼らは目を覚まさない。
拝啓みんなへ、僕は道を踏み間違えました。
けれど、僕はまだ許せない。
だから、僕がこれからする行動を
ゆるしてね。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。