ぷるるるる……
電伝虫が私の目の前を横切ろうとしていた。
ガチャ
電話の相手はベッジだ。
とある人魚の王様がうちの店を貸し切って食事会をしたいのだとかで
その相手は新聞を賑わせていた あの懐かしい海賊団なのだとか。
それじゃあ食材も人手も必要になるだろうな。
そんな算段を頭でしながら
目線だけを上げて、了解。とだけ返事をした。
コック達に指示を出して
忙しい中 確認を急がせつつ
電話をかけた。
ボストック達に食材と人員を確保してもらって
それからリキュールさんに抹茶の在庫を確認しつつ来て貰えないか聞いて……
そんな事をしていたら
思ってもない客がきた。
第一声目がステーキなのはどうなの??
ビックリして見てると
掛けよった彼はドシンとカウンター席に座り込んで既にステーキを待っていた。
勿論ルウ1人で来た訳じゃない。
赤髪の海賊団一行が姿を見せると先客達は足早に席を空け始めた。大体の人間が海賊だったから相手との力量は理解しているらしかった。
マルコさんの腕のなかで寝てた赤ちゃんを見せつけながら彼は小さな声で言うと
私の方に向き直ってシレッと飲み物を飲んでいた。
赤髪の人は相変わらず軽いノリで
マルコさんをおちょくるみたいに顔を近づけた。
何故かルウが謝った。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!