湯船の中、今日の疲れが融けていく。
(…この入浴剤いいな、香りも好きだな。)
先日、通販で気まぐれに買った蓮の花の入浴剤。
薄紫の湯面を手の平で掬う。
(…ソースケと二人の時も使いたいな。)
身体の痛みはもうなくなった。
もう赤黒い痕が幾つか残るだけ。
オレは別に、
残ったって構わないって思うけど、
ソースケはきっと気にする。
そういえば、
月島のとの事聞いたら、
ソースケ、なんだか不機嫌だったな。
月島、何か余計な事、
ソースケに吹き込んで無いよな。
…今度、問いたださないと。
脈略も無く、考えを巡らせていたが、
ふっと、急に考えるのが馬鹿らしくなり、
胎児のように、頭の先までお湯に沈む。
息を止め、思考をリセットしようとする。
お湯の中、玄関のドアの開く音が聞こえた。
(のんびり入浴すぎたな。)
あらかた髪と体を拭き終え、
そのままタオルを腰に巻く。
ソースケも、
風呂から上がったオレに気付いて、
話し掛けてくる。
のぼせたかな。
取り敢えず、
湯上がりの体に水分補給したい。
ミネラルウォーターを飲むオレの腰に、
ソースケがソファーに座ったまま、
腕を絡めてくる。
くっつかれたまま離してくれないので、
オレは体を揺らしながら尋ねる。
揺さぶられても、
ソースケは離さない。
脇腹にソースケの鼻先が触れる。
お腹にキスの雨。
逃げようとするオレを、
より強くソースケの腕が巻き付く。
下尻と太腿の境界を撫でられる。
思えば確かに、
甘いものを食べるのが増えた。
餌付けしてたつもりが、
最近されてる気がする。
前にまわった手に胸を擦られる。
先端を指先でこねられる。
イタズラする手を捕まえて、
にぎにぎする。
オレの返しに、
ソースケは狼狽える。
オレはバイセクシャルだけど、
女の子になりたいとか、
女装をしたい人間ではない。
でも、時々考えない訳じゃないんだ。
もし女性だったなら、
女性になったなら、
君ともっと付き合い易いんじゃないかとか、
君をもっと悦ばせられる身体なんじゃないかって。
少し拗ねてみせたオレを、
ソースケはソファーにグイッと引き寄せる。
後ろ向きで倒れ込んだオレは、
仰向けでソースケの膝の上。
まるで、釣り上げられた魚のよう。
腰に巻いたタオルがほぐれ、
辛うじて隠してる無防備な状態。
今度は、
恥ずかしくてのぼせてしまいそうだ。
!
明るい場所で晒してしまった事を、
迂闊だと思った。
ソースケが首元の傷に遠慮がちに触れる。
気遣う言葉。
そんな顔、させたくないよ。
ソースケの首にしがみつく。
抱き締めて、
ソースケの背中をぽんぽんする。
………。
…やばい、
オレの腕の中で収まってるソースケ可愛い…。
ソースケの背中をもっとぎゅっと抱きしめ、
耳元に囁く。
ちゅっ。
-----
少し立ち上がりはじめた彼のモノを、
口に含み舌を這わす。
むくむくと大きくなるのが愛しくて、
唇で締め付ける。
恥ずかしいのに、
触れて欲しくて、
言うがままソースケに跨がる。
リビングからの灯りが射し込んで、
オレの身体を照している事を気付かされる。
彼の指がオレのすぼまりをつつくように刺激する。
更に、
裏筋を彼の舌がなぞる。
ソースケに、
男性器を口で愛撫されるのは初めてで、
つい反射的に手で拒んでしまう。
手首を捕まえられて放してくれない。
オレのモノがソースケの口の中にふくまれ、
先端を執拗に攻められる。
後ろも入り口付近を焦らすように弄ばれる。
そんなのずるい。
両方なんて。
口から出せない吐息が、
鼻からぬけて、
より甘くなる。
もっと強い刺激を与えて欲しくて、
懇願する。
ソースケはオレの下から抜け出し、
ゴムを付ける。
彼のモノがオレの中を広げ、
奥へと突き進む。
背中を掌が撫で下ろした。
視姦られているのを意識して、
肌に熱が点る。
彼の肉棒が奥に押し付けるように突く。
彼の言葉のままに、
身体が逆らえず反応してしまう。
それが気持ちよくておかしくなりそうだ。
太腿の内側を揉まれ、
膝裏がひくつく。
…ダメ、…キそう…。
この体勢だと、
キスが欲しくて切なくなる。
身体をひねるオレの背中に、
ソースケが覆い被さる。
やっと重ねられた唇に安堵し、
身体の奥が快感に跳ねる。
漏れる吐息を押し殺すように、
頷く。
上も下も交じり合って、
ぐしゃぐしゃになっていく。
オレの身体を閉じ込めるように、
ソースケが包み込む。
奥を突き上げられ、
一気に登り詰める。
…もう、
…あっん゛
…ふっ!
身体の奥が痙攣し、
意識が散った。
高揚感が余韻に残った。
足を絡め、より体を乗せてくる。
汗ばんだ肌と肌が密着し、
背中から熱が伝わってくる。
肩に、
ソースケの息がかかる。
そうだね、
…時が止まってしまったらいいのにね。
-----
アキさんが、
フィットネスのゲームを買ってきた。
…もしかして、俺が太った?って
言ったの気にしてる?
付き合わされました…。
でも、アキさん体力無さすぎ。
すぐにへばってお蔵入り。
ま、俺はマッチョになったアキさんは、
正直ちょっと嫌かなぁ…なんて。
続かなくて良かったって思っちゃってる。
今のまんまが、…いいです。
-----
-----
今回は話の流れが全然作れなくて、
切り捨てたとことか、
本当に試行錯誤しました。
試行錯誤したわりに、
何かまとまりない出来になっちゃったなー。(;´Д`)
前の本編で最終話にしようと思ったりもしてたので、
主軸がよく分からなくなってしまいました。
でも、まだアキ&ソースケには付き合って貰います。
アキが痩せたい理由、
アキ姉(えまママ)夫婦は海外でアパレルメーカーを経営しています。
アキの採寸データを持っていて、時々服を送ってきます。
なので、あまり体型が変わるとアキ姉が怒ります。
アキ姉曰く、
「ほっておくと似たような服ばっかり着てる」からだそうです。
アキはシンプルで着心地の良い服であれば、
あまりこだわりがないみたいです。
でも、下着は気に入ったメーカーのボクサーブリーフショート丈を
通販で買ってます。
ちなみに、ソースケはボクサーとトランクスを併用。
夏はトランクスが多いようです。
↑どうでもいい裏設定です。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。