第一話:天罰探偵/始まりの事件
三人称……
夜の街……
パンサーの耳が生えた獣人の少女が手を鎖で繋がれていた。
???「だ……れ……か、助け……て……」
少女は弱弱しく呟く。
その時。
爆発音が響く。
???「!?」
そして、炎の骸骨の仮面ライダーと少年が現れた。
???「おやっさん!いたよ!いた!」
???「ナイスだ、ワトソン……!」
???「貴方達、誰……?」
???「俺は……仮面ライダーアビスフレアだ……」
???「僕はワトソン・リュウセイだよ!」
アビスフレア「とりあえず、逃げるぞ……!」
リュウセイ「はい!」
???「待って、奥にお母さんが!」
アビスフレア「何だと……!?」
リュウセイ「どうするの?」
アビスフレア「まずは、ワトソン、其奴を連れて先に出ろ……」
リュウセイ「え、でもおやっさんは……?」
アビスフレア「大丈夫だ。すぐに戻る……」
リュウセイ「わ、分かった……」
リュウセイは少女を担ぐ。
???「ちょ!?」
リュウセイ「おやっさんは強いから大丈夫だよ!」
リュウセイと少女が走り出す。
アビスフレア「さて行くか……」
アビスフレアは奥のドアを開く。
そこには先程の少女に似た人物がいた。
そして首には謎の首輪がついていた。
???「あの子は……?」
アビスフレア「安心しろ、彼奴は、“ラオーラ”は、助けたぞ……」
アビスフレア「ユキメ……」
ユキメ「よかった……」
ユキメは力無く笑う。
アビスフレア「逃げるぞ……」
ユキメ「無理よ……もう私は……」
その瞬間、ユキメの首輪がピピピと点滅する。
アビスフレア「まさか……!?」
ユキメ「ごめんなさい……」
アビスフレア「一緒に逝ってやるよ……」
アビスフレアは変身を解除し、ユキメの近くに座り込む。
ユキメ「ありがとう、アヌビス……」
アヌビス「あぁ……」
アヌビス「……立派な探偵になれよ……ワトソン……」
アヌビスは6枚のカードとドライバーを外に投げる。
リュウセイと少女は建物を飛び出る。
その瞬間。
建物が炎に包まれる。
ドカァァァァーン!
二人「!?」
リュウセイ「おやっさぁぁぁぁん!?」
???「お母さん……?」
そして、リュウセイの手元に6枚のカードとドライバーが飛来する。
リュウセイ「これって……」
そして2人は理解する。
もう、大事な人はこの世界にいないと……
リュウセイ「おやっさぁぁぁぁん!?」
リュウセイの絶叫が響き渡る。
???「お母さん……」
少女の目から涙が流れる。
数年後……
語り手:ワトソン・リュウセイ
俺――ワトソン・リュウセイはあの時助けた少女“ラオーラ・パンテーラ”と一緒におやっさん“アヌビス・パンテーラ”の探偵事務所「アドベント探偵事務所」で共同生活していた。
ラオーラ「リュウセイ、大丈夫……?」
リュウセイ「ラオーラか……いや大丈夫だ」
ラオーラ「そうなの……?」
リュウセイ「あぁ、俺が嘘をついたことあるか?」
俺はラオーラの瞳を見つめる。
ラオーラ「それは……」
ラオーラは言葉を詰まらせる。
リュウセイ「ほらな……」
ラオーラ「そうね……」
リュウセイ「そういえば、“リズ”は大丈夫だったか?」
リズとは、ラオーラの働いている監獄「THE Hell」の同期の“エリザベス・ローズ・ブラッドフレイム”のことだ。
ラオーラ「ラプト・ダークネスって人が助けてくれたわ……」
リュウセイ「そうか……」
俺は視線を資料へと落とす。
ラオーラ「お父さんの意思を継ぐの?」
リュウセイ「そうでなきゃ、この街「幻街(ホロ・シティ)」はどうする?」
ラオーラ「それは……」
ラオーラはまた言葉を詰まらせる。
リュウセイ「ほらな、だから、おやっさんのドライバー“アビスフレアドライバー”を改造してるんだよ……」
ラオーラ「でも、私は貴方に、リュウセイに、危険なことをして欲しくないの……」
ラオーラは俺の瞳を見つめ返す。
リュウセイ「……」
その静寂を切り裂くように、ラオーラのスマホに着信音が響く。
ラオーラ「こんな時に……」
ラオーラは電話に出る。
ラオーラ「え……?」
リュウセイ「どうした……?」
ラオーラ「ネード・グルニアが脱獄した……」
リュウセイ「分かった……」
俺は地下室に向かって歩み出す。
ラオーラ「え……?」
リュウセイ「行くぞ、ラオーラ。急いでるんだろ?」
ラオーラ「ありがと……」
ラオーラは俺の後を追いかける。
地下室……
ここ――ネメシスピットには、おやっさんが残したバイク“アビスフレアチェイサー”を改造した“ネメシスチェイサー”が置いてある。
リュウセイ「ほら!」
俺はラオーラにヘルメットを投げ渡す。
ラオーラ「ありがとう、リュウセイ」
リュウセイ「行くぞ……」
俺はラオーラの後ろに乗せ、走り出す。
ブォォォォォン!
リュウセイ「……」
ラオーラ「……」
三人称……
暗い裏路地……
脱獄犯のネード・グルニアはイライラしながら誰かを待っていた。
ネード「クソが……まだあれを手に入れるまでは捕まらねえ……」
その時。
黒い仮面を被った男性が現れる。
???「遅れて申し訳ない。ネード・グルニア……」
ネード「遅いぞ、“ナスカ・スイセン”!」
ナスカ「貴方の目的はこれですよね?」
ナスカは持っていたショーケースを開く。
ネード「そうだ。この“アースカード”が欲しかったんだ!」
ネードは、「DINOSAUR」と描かれたカードを手に取る。
ナスカ「良かったです。そして貴方に残念なお知らせが、追っ手が来たようですよ……」
ナスカは街灯を見つめる。
ネードは釣られて街灯を見つめる。
ネード「なぁ、ラオーラ・パンテーラにワトソン・リュウセイ……」
ラオーラ「バレてたみたいね……」
リュウセイ「あぁ……」
語り手:ワトソン・リュウセイ
俺とラオーラは脱獄犯のネード・グルニアと謎の人物と接敵した。
リュウセイ「お前は誰だ……?」
ナスカ「名乗る者ではない……」
男は、「NAZCA」と描かれたアースカードを構え、起動する。
〈ナスカ……!〉
男の姿がこの街の怪物“リビドー”へと変貌を遂げる。
ラオーラ「え……リビドー……?」
リュウセイ「マジかよ……」
ナスカリビドー「ネード、ここは貴方に任せましたよ……」
ネード「おうよ!」
〈ダイナソー……!〉
ネード「グォォォォォ!」
ネードは咆哮を上げ、リビドーに変貌を遂げる。
ダイナソーリビドー「グォ……」
ダイナソーリビドーは唸り声を上げる。
ラオーラ「ッ!?」
リュウセイ「名前は、ダイナソーリビドーって所か……」
ラオーラ「今、名付けてる場合じゃないでしょ!?」
リュウセイ「あ……」
ダイナソーリビドー「グォォォォォ!」
ダイナソーリビドーは咆哮を上げ、俺達に向かって突進してくる。
ラオーラ「ッ!?」
リュウセイ「ラオーラ!」
俺は咄嗟にラオーラの手を掴み走り出す。
ラオーラ「ちょ!?」
リュウセイ「今は逃げるぞ!」
ラオーラ「わ、分かったわ!」
ラオーラも走り出す。
リュウセイ(どうする……どうする……)
ラオーラ「リュウセイ!」
俺はハッと我に返る。
リュウセイ「まずは逃げることが優先だ!」
ラオーラ「分かってるわよ!」
ダイナソーリビドー「グォォォォォ!」
ダイナソーリビドーは咆哮を上げる。
その瞬間、背中から羽を広げ飛び上がる。
ラオーラ「彼奴、飛べるの!?」
リュウセイ「マジかよ!?」
ダイナソーリビドー「グォォォォォ!」
ダイナソーリビドーの頭部から角が生え急降下してくる。
ラオーラ「ッ!?」
リュウセイ「させるかよ!」
つづく……
次回!!
「第二話:街を壊す者/仮面変身」











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。